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category :フランス視察

自由、平等、博愛(連帯)の精神で!!

昨夜は11月のフランス視察帰国後はじめての団会議でした。

メインの議題は「報告集」作成について。

1月中に頑張って原稿を集め、2月編集・校正、
そして3月5日の大阪社保協第21回総会の時に発表しよう・・・・

というスケジュールを決定。
はてさて、予定通りうまくいくでしょうか。

そしてその後、全員がひとこと発言。

10日間、毎日一緒に行動した、という経験はとても大きくて、
「また、みんなに会えてうれしい~」という、
まさに連帯感のある集まりになりました。

そして、場所を変えて「忘年会」。
まあ、盛り上がる盛り上がる。

寝食を共にするって、
こんなに仲良くなるもんなんですねえ。

「次、新年会しないんですかあ?」という声も上がるほどでした。

フランスのあの国旗の色は
自由、平等、博愛を表していることはご存知ですよね。

そして、フランスの社会保障制度は
みごとこの3原則が貫かれていました。

わたしたちのたたかいも
この自由、平等、博愛(連帯)を大切にしながら
広げていきたいなあ、と思います。

楽しい夜でした。


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世界の食料自給率について

昨日の箕面母親大会でフランスの食料自給率が130%前後という話をしましたが、

「それはカロリーベースか?」という質問があったので、
ネットで調べたところ
農水省が試算したものがあったので紹介します。

なお、「カロリーベース」での試算は日本しかしていないということで、
以下の数値は農水省が各国の数値を試算しなおしたものです。


主要国の食料自給率


日本の農林水産省が推計した、1965年から2003年までの主要国の食料自給率は以下の通り。

これは経済統計のように各国がそれぞれ計算して発表したものではない
(ちなみにカロリーベースで自給率を計算しているのは、世界的には日本のみである)

主要国の食料自給率(日本のみはカロリーベース)(単位:パーセント)

国名 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2002 2003 2004 2005 2006 2007

オーストラリア 199 206 230 212 242 233 261 280 230 237 238 245 172 173
カナダ 152 109 143 156 176 187 163 161 120 145 160 173 185 168
フランス 109 104 117 131 135 142 131 132 130 122 135 129 121 111
ドイツ 66 68 73 76 85 93 88 96 91 84 94 85 77 80
イタリア 88 79 83 80 77 72 77 73 71 62 73 70 61 63
オランダ 69 65 72 72 73 78 72 70 67 58 67 62 78 75
スペイン 96 93 98 102 95 96 73 96 90 89 90 73 81 82
スウェーデン 90 81 99 94 98 113 79 89 87 84 88 81 79 78
スイス 48 46 53 55 60 62 59 61 54 49 54 56 52 52
英国 45 46 48 65 72 75 76 74 74 70 69 69 69 65
アメリカ 117 112 146 151 142 129 129 125 119 128 122 123 120 124
日本 73 60 54 53 53 48 43 40 40 40 40 40 39 40

出典:農林水産省試算(1965年~2007年)

*カロリーベース総合食料自給率
国民1人1日当たりの国内生産カロリー÷国民1人1日当たりの供給カロリー
なお、国民1人1日当たりの供給カロリーとは国産供給カロリー+輸入供給カロリー+ロス廃棄カロリーの合計である。

*生産額ベース総合食料自給率
生産額=価格×生産量で個別の品目の生産額を算出し、足し上げて一国の食料生産額を求める。
国内の食料総生産額÷国内で消費する食料の総生産額

フランス視察報告学習会、みのおでデビュー

昨日5日の日曜日は7時に起床。

そうだ!ロールキャベツを作ろう!!

というわけで、
鳥と豚のミンチでハンバーグ種を作り、
大鍋にお湯を沸かし、
キャベツ一玉の軸に切り目を入れ、
お湯の中に。

そうするとキャベツの葉が一枚一枚はずれていきます。

そして、外れた葉でハンバーグ種を包んでいきます。

また大鍋に水+デミグラスソース2缶+トマト水煮缶の中に
包んだロールキャベツを並べことこと煮ると

美味しいロールキャベツの出来上がりです。

そして、着物に着替え、
12時半には阪急箕面駅へ。

駅前にある箕面サンプラザという再開発ビルの8階ホールで
「みのお母親大会」。

オープニングは女性たちのフラダンス。

20101205みのお母親大会

そして私は記念講演
「『人間らしく豊かなくらし』はどうやってかちとるのか
 ~フランスの社会保障・フランス人のたたかいから学ぶ」
を75分話しました。

フランス視察後に、話をするのは今回が初めて。

初めてしゃべったので、
全部話きることができなかったけれど、

でも、
「目からうろこやわあ~」
「よくわかりましたあ」
・・・・
と声をいただき、
「フランス本」20冊完売でした。


失業しても幸せでいられる国―フランスが教えてくれること失業しても幸せでいられる国―フランスが教えてくれること
(2010/10)
都留 民子

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来年も、いくつかの学習会でお話をすることが決まっているので、
話しながらレジュメ再構成をし、
さらに分かりやすいお話をめざしたいと思います。

母親大会終了後、
箕面社保協結成にむけて、地域のみなさんからご相談をいただきました。

来年の春までに結成したい、ということで
とてもうれしいお話でした。

フランス着物噺

フランスには洋服は寝間着以外は一枚も持って行きませんでした。

普段から毎日着物生活ですし
全然不都合はなかったんですよね。

それどころかいいことが沢山!

私達日本人は、フランス人から見ると
日本人だか韓国人だか中国人だかわからないと思うのですが

着物を着ていたおかげで
「ジャポネ?」と必ず聞かれました。

ただ、キモノという単語は知られていないようで
「ジュウドウ?」と。
そうそう、フランスは柔道がとても盛んな国なんですよね。

それで

「ノン、ノン、キモノ」と言うと

「オ~キモノマダム!、メルシー」という感じでした。

特にホテルやお店ではキモノマダムということで大切に扱われた感じがします。

また視察先でもキモノマダムとよばれましたし。

パリではあの時期に多分キモノマダムは私だけだったかもしれませんね。

オルセー美術館では女性からせがまれ写真を撮っていただきました。


ただ一つ。
ちょっと困ったことがありました。

フランスから帰国するための空港での搭乗手続きの時のこと。

エアーフランスは出国の際の荷物の重量制限が23キロなんですが

私のスーツケースはなんと29キロ!?

何がそんなに重たいのか?

と思ったら
着物と帯の風呂敷二つで7キロもあったんですね。
冬の着物は絹で袷なので重たいのですね。
迂闊でした。

でも日本からフランスに持ち込むときからあったわけですから
その時には既に重量オーバーだった訳ですが
入国時はノーチェックでした。

風呂敷二つを手荷物にして
重量をなんとかクリアしました。

親切な枚方のN田さんと我が息子に風呂敷を関空まで持っていただきました。

次に行くときは荷物を(着物を)減らさねば!

でも冬以外だと着物も軽いから、違う季節だと大丈夫かな。

とまあ、困ったのはそれくらいでしたね。

特殊合計出生率2の世界とは

フランスのこと、
色々書きたいことがあるんですけどね、

その一つ。

フランスはすでに少子化を克服しているわけで、

それは、家族手当金庫で聞いた、
手厚い家族全体への様々な施策があるわけです。

そして、
特殊合計出生率(1人の女性が一生のうちに何人こどもをうむかという数字)は2で、
日本は1.3で。

フランスは毎年40万人ずつ人口がふえていると、
これは移動のバスの中で現地ガイドの首藤さんの話でした。

そして、
特殊合計出生率2っていうのは、
具体的にいうと、
フランスの子ども連れの家族をみていると、
やっぱりこどもは二、三人いる、っていうのと、
町中にこどもがあふれているっていう感じなんです。

やっぱり、こどもがいっぱいいるっていいなあ、
にぎやかだなあ、って思いましたね。

最近、こどもが町中にあふれている風景みてないです。

こどもや若い人が沢山いる国、いない国。

それだけでも、フランスにいった価値ありますよ。

息子がみた凱旋門

フランスの毎日は雨だったのですが、
最終日の15日、私がブルゴーニューに行った日、

今回のフランス視察に同行した長男は地下鉄にのり、まず凱旋門に行き、
そしてブローニュの森までずっと歩いて行ったのだそうです。

20101115凱旋門

彼がみた凱旋門です。

彼は彼なりに楽しんだようです。

フランス視察 山本さんと佑介

左が長男u介、右はいのこの里のY本施設長です。
Y本さん、写真ありがとうございました。

フランスワインのふるさと~ブルゴーニュへ日帰り旅行

フランス旅行最終日は
ホテルのあるベルシーから地下鉄にのり、リオン駅へ。

10111リオン駅

そこからフランスの新幹線TGVを乗り継ぎブルゴーニュ地方のボーヌへ。

10111リオン駅構内


白ワインのシャブリも
赤ワインの最高級品ロマネ・コンティも
そしてこれから入ってくるボージョレー・ヌーボーも
みんなこの地域のワインです。

ボーヌ駅と駅前のホテル。

101114ボーヌ駅

101114ボーヌ駅前

そして街並み

101114ボーヌ街並

日本人には一人もあいませんでした。

おなかがすいたので、早速シャブリにサラダ。

101114シャブリとサラダ

そして、メインはワイン蔵で飲み比べです。

10ユーロのカップを買えば、
あとは自由に好きなだけ、です。

101114ボーヌワイン飲み比べ2

101114ボーヌワイン飲み比べ

101114ボーヌワイン飲み比べ3

さすがにロマネ・コンティは買えなかったのですが、
同じ畑で作ったブドウでできた赤ワインを購入しました。

クリスマスにみんなで味わうことにいたしましょう。

ワイン好きな方にはお勧めの場所です。


フランスにやたら沢山あるものは、カフェと薬局

フランスの、パリの街角にやたらあるものは、

カフェ。

フランスのカフェ

そしてファーマシー、調剤薬局です。

ファーマシー

ファーマシー2






とにかくやたらめったら・・沢山あります。

何度も行きたいオルセー美術館

みなさま、おはようございます。

フランス最後の朝です。

あっという間にフランス視察も終わりです。

でも、ものすごく肌に合うので、来年もまた来たいと思います。

昨日は、ロマネコンティやシャブリなどボージョレーワインの故郷、ボーヌへ
フランスの新幹線TGVに乗って行ってきました。

その様子はまた次にして、

今日は一昨日行った「オルセー美術館」について。

20101111オルセー美術館2

今回は、ルーブルでなく、オルセーに行くと決めていました。
ルーブルは広すぎますからね。

前はオルセーでの撮影は可能だったようですが、
今回はNGでした。
(ルーブルは今でもokです。)

オルセー美術館はもともと「駅」だつた建物で、
館内はとても広いのです。

すべて常設の展示だというのが信じられないくらい、
なにげに、
ドラクロア、コロー、ミレー、クールベ、ドガ、マネ、モネ、ルノアール、ゴッホ、ゴーギャン、スーラ、セザンヌ、マチス、ロートレック・・・

こんなところほかにないですよね。

それに素敵なのは、
日本の展覧会によくある「順路」と言うのがなく、
どこから見てもいいし、
私なんか、どうも人の流れに逆行していたようですけど、
好きな絵の前でずーっと立ち止まって見ていたり、
また戻ってきてみたり。

画学生が沢山、絵の前でスケッチをしていましたし。

いいなあ、とても自由で。

それで、入場料もとても安くて、
大人は8.5ユーロ。
息子たち25歳以下だと5.5ユーロでした。

館内には座る場所も沢山あり、
歩き疲れるとそこに座って本を読んだり、考え事をしたりできます。

いいなあ、こんな場所が近くにあって。

今日はちょっと遠出します。

みなさま、おはようございます。

パリは今日も雨です。
こういう時期なのでしょうね。晴れはあきらめました。

昨日はオルセー美術館に行きました。

よかった~!

今日はいまから遠出をしますので、
詳しくは今夜書きます。

では、いってまいります。

パリで素敵なものは、建物と美味しいお菓子

とにかくパリで素敵なのは、建物です。

これは第一次世界大戦、第二次世界大戦ともの戦火に見舞われていないから。

パリでは新たに建物をたることができません。
ですので、建物は新しくても100年以上の歴史があります。

セーヌ川湖畔の建物です。

20101111セーヌ川湖畔

20101111セーヌ川湖畔3



そして、美味しいお菓子(私は食べませんけど見てるのは楽しい)

美味しいもの1

美味しいもの2

美味しいもの3










母子を支援し助けるための0-6歳のシステム

みなさま、おはようございます。

パリの朝は今日も雨です。
今日、明日は、自由行動なんですけどね・・・・

視察団のみなさんの殆どはオプショナルツアーに参加されるのですが、

私は旅は行き当たりばったりがいいとおもっているので、
完全に自由行動にします。

今日は雨ですから、
オルセー美術館にゆっくりと行って

20101111オルセー美術館

(セーヌ川からみたオルセー美術館)

オペラ地区界隈のカフェに入り、
ウィンドウショッピングなどを楽しみたいなと思います。

昨日の午前中は、
パリ16区にある母子センターを訪問しました。

パリ市というのは人口220万人都市で、
市であると同時に県でもあります。

パリ市内には20区あり、
ここ16区は裕福な人たちが住んでいる地域です。
しかし、裕福な人たちの家にはメイドさんがいて、
その方たち(ほとんどが移民の人たち)もここに住んでいるので、
貧困な人たちも暮らしているわけです。

ずっとコーディネーター兼通訳をしてくださっている奥田七峰子さんが
ここ16区在住で、母子センターはいま9歳になる息子さんがお世話になったところだそうです。

わりとこじんまりとした建物の中に、3つの施設があります。

20101112母子センター1

◆PMI 母子センター(県営)

3つの機能

①予防
・6歳までのワクチンは、 BCG、ジフテリア、ポリオ、破傷風、100日咳、肺炎球菌、B型肝炎、はしか、髄膜炎、おたふく、風疹、ロタウィルス。ロタ以外は無料でロタも後日償還。

②健診
・0-6歳のこどもには20回の健診が義務付けられている。(無料)

③早期発見
・視聴覚、知能、身体の様子、父母とのリレーション(関係)、虐待

◆家族託児所(市営)
もともと保育ママが家庭でみている2か月半~3歳の乳幼児を集団生活になじませるためにつれてくる。現在23のこどもと8人の保育アシスタントがいる。

◆一時預かり(市営)
仕事をせず家で母親がこどもを育てている場合で週に二回午前中だけ集団生活になじませるために連れてくる。

・・・・・・・・・・・・

やりとりは主にPMIについて行われました。
話をしてくださったのは、ドクター・ショミアンです。
私たちに対応してくださったのは、すべて女性スタッフです。

20101112母子センター1


・・・・・・・・・・・

PMIはパリ市内に40か所あります。
市内全域を巡回する医師が13人、
新生児専門看護師は各PMIに1人ずつ。
また日本でいう保健師のような資格をもつスタッフが在宅訪問も行います。

PMIのチェックで4つの重要な視点があります。

①障害の有無
②母子の関係で問題が無いか
③社会的、精神的問題、貧困、移民問題など
④虐待防止


フランスでの虐待の早期発見のシステムは以下です。

まず、妊娠がわかると、医療機関で申請をします。
この書類が複写になっていて、
一部は疾病金庫へ、もう一部は家族手当金庫に行きます。
(家族手当金庫でのレクチャーでこの説明がありました)

普通、望んだ出産であれば、1か月半や2か月で受診しますよね。
でも、遅い受診、申請であれば、ここでピックアップされます。

そして、出産後入院(フランスでは3日)中の様子がおかしい人もピックアップされます。

退院後、新生児専門看護師が在宅訪問をする中でピックアップします。

そしてここからがPMIのミッションで、
疑いのある家庭をできるだけ早くみつけることが重要で、
ここからフォローが始まります。

また相談オンラインがあり、市民からの通報があれば、
新生児専門看護師が訪問します。
虐待が発覚した時点から私たちに「守秘義務」はなくなり、
すべての機関とネットワークをつなげていきます。
0-6歳の虐待問題の責者はPMIの医師にあります。

そして、虐待がわかっても、
できるだけ母子分離はせず、18歳までのフォローをしていきます。

ここ16区は裕福な家庭が多いので、虐待問題の数はすくないのですが、
19区20区のような貧困家庭の多い地域では深刻です。

・・・・・・・・・・・・・・・・

ここから市会議員のマダム・ジュノーからのお話です
とてもきれいな方ですが、おじいさんが日本人とのことで、
彼女はクウォーターということですね。

20101112母子センター2

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

16区は富裕層の集まる区ですが、
特殊出生率が高く、
それも3人目4人目の出産がふえています。
ひとり親家庭やステップファミリーも多いのです。

母親の95-98%は仕事をしています。
フランスでは3歳児からはプレスクール(幼稚園)が義務化されているので、
保育は2歳児までです。
プレスクールは公立は無料です。

公的な保育所に入りたければ区役所に申請します。
しかし、この16区では4000人の希望に対して700人のキャパしかありません。

16区の区長は保守系で、パリ市長は左派で、両者は仲が悪く、
なかなか保育所のキャパの拡大はむずかしいのです。
区には権限がなく、市がすべてを決定します。

区の選考委員会は年三回開かれ、ここで入所を決定しますが、
最終的にはドクターの一言で決まりますが、
やはり、貧困世帯や問題ケースを優先します。

公立保育所に入れない場合は、
NPOが運営している民間保育所や
企業間共有シェアの保育所を斡旋します。

・・・・

ここからまたドクター・ショミアンのお話です。


フランスの伝統的に「幸せな家族像」というのは、
こどもが4~5人いて、離婚しないで両親がそろっている、というものです。

しかし、結婚(もともと結婚していないが一緒にいるケースが多い)して
離婚(はなれる)する率が50%ととても高いのです。

また、ベトナム・カンボジア・南米・ロシアから養子を迎えるケースもとても多いのです。

障害児の学校受け入れは義務ですので学校は断ることができません。

フランスは今、母乳を推奨しています。
しかし、これも母親の選択にまかされます。
また、働いている母親にプレッシャーにならないようにします。

・・・・・・・・・・・・・・

聞き忘れたのですが
こうしたピックアップされたこどもの情報は
家族手当金庫のあの「クリスタルシステム」が使われて管理されているのかどうか。

地域にあるCAFと母子センターとの連携があるのかどうか・・・

そのあたりを聞きもらしましたので、
奥田さんにメールしてみようかなと思います。

いずれにしても、
赤ちゃんがおなかにできた時点から18歳になるまで、
いかに把握し追跡していくのかという
重層的なシステムとフォロー体制の構築というのが、
子育て支援のカギなのだということがよくわかりました。

私はこのシステムの中に、
家族手当金庫が実施しているこども手当、住宅手当等々と
疾病金庫が実施しているこどもの医療費は完全無料という
社会保障制度がきっちりと組み込まれていることが重要だと思うのです。

なぜなら、
フランスでも「申請」からはじまりますが
「申請」さえすれば、
その後の子育ては完全無料になるという利点があるということを
母親になる女性たちが知っているから・・・だから申請するのです。

そして、赤ちゃんがおなかにいるときからフォローと支援がはじまるのです。

日本の場合は、
赤ちゃんができたと申請してもらう母子手帳では、
なんの補助もありません。

母子手帳を申請した時から、
妊婦検診、出産、そしてこども医療と健診の完全無料化と
子育ての間の様々な援助がある体制を作り、それを大宣伝して知らせること、
そして実際の援助をしていくのは、
どう考えても保健所の医師・看護師・保健師や児童相談センターなどの職員となるわけですから、
公務員を削減している場合ではないと思うのです。

そして、こうした支援は
日本の30年40年50年後を見据えたプランの中の柱として据えなければならないのだ、
ということをこのフランス視察の中で確信しましたね。



フランスは小規模自治体の国~なんと36500市町村!!

昨日11日の午前中は
フランス在住の美帆・シボさんとの意見交流会。

美帆・シボさんは平和活動家で
童話「つるにのって」の作者です。

アニメ版 つるにのって―「とも子の冒険」アニメ版 つるにのって―「とも子の冒険」
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とても興味深いお話でしたので、
以下紹介しますね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

フランスの自治体数は36500です。

パリは人口220万都市ですが、
そんな大きな都市はとても稀で、
人口5万人以上の自治体は112しかなく、
人口700人未満の自治体が67.6%です。(数にして24,674自治体)

フランスには自治体の大きさによる格付けはなく、
すべてコミューンと呼びます。
ここでは日本で言う市町村をすべて市とよびます。

こんなに沢山自治体があって、困らないか、いうことですが、
国は確かに合併をさせたがっていますが、
住民がそれを許さないのです。

でも、行政は小さいとやりにくいので、どうするのかというと、
例えばプールを作りたい、となったら、
ほかの自治体に声をかけて共同でお金を出し合って設置し運営しようとします。
でも、自治体にもいろんな色があります、右派とか左派とか、
それで気が合うやりやすいところに声をかけますから、
近隣だから一緒にやるっていうわけではないんです。

県は海外も含めて99あります。
県はさらに22のグループの地域議会を形成しています。

なお、市長は国会議員や県会議員を兼ねることができます。
例えば、シラク大統領はパリ市町でしたし、
アランジュッぺ大統領はボルドー市長でした。
また、市長は市議会の議長も兼ねます。

市長の任期は6年間で、市の立法上の最高責任者です。

市長は選挙で選ばれるのではありません。
選挙は政党を選ぶ選挙をします。
投票数の50%を獲得しないと与党にはなれないので、
何度も決選投票をして選んでいきます。

そして与党がきまったら、議席を配分します。
議席数が30議席だったら、半分の15議席は与党がとり、
あとの半分は比例制ですから、与党が有利です。
市長は与党のリーダーがなります。
ですから、市長と与党が違って、議会でなにも決まらないという状況は
絶対にありません。

社会党政権下で、市議会議員は男女半々にしないといけないという法律ができました。

市の仕事はまず保育、教育です。
保育は0-2歳までで、
保育所は県、市町村、民間などが建設します。

小学校の建設は市、中学校の建設は県が、大学の建設は国がしますが、
すべての公立学校の教員は国家公務員です。

小学校は5年制で、中学校は4年制です。

小学校では読み書きと算数が中心で、
音楽や体育などの専門教員もいません。
教科書も殆ど使わず、担任教員が教材を作り教えます。
学校は水曜日が休みなので、
親はこの水曜日に市が運営している水泳教室や音楽教室などのおけいこにつれていきます。

中学校での歴史教育は1年古代史、2年中世史、3年近代史などのように時間をとりますすが、
それでも近代史が手薄になると教師は嘆いています。

高校では歴史などは自由研究で、
例えばレジスタンスの歴史研究発表コンクールなどもあります。

フランス人は権利意識がとても高いのです。
たとえば、組合専従がいますね、
彼らの給料は組合費で賄うのではなく、
国家公務員の労働組合専従なら、国が。
企業の労働組合ならその企業がだします。

社会保障については、保険料を払ってるんだからうける権利があると
誰もが思っています。

難民のことですが、難民に2種類あります。

一つは正規の難民。
フランスは亡命する人をかなり受け入れています。
社会主義国からの移民も多く受け入れてきたし、
現在はイラクからのキリスト教関係者を沢山うけけいれています。

もうひとつは違法難民。
闇労働をさせると、その雇い主は厳しい制裁を受けます。
しかし、建設関係などはこの移民を沢山使っていて、
この闇労働をやめさせると建設時器用がなりたたないという現実があります。

消費税についてですが、
実は世界で一番はじめに消費税をはじめたのがこのフランスです。
現在、フランスの税収の半分は消費税収入です。

水・食品などには5.5%
その他のものには19.8%
車や電化製品など贅沢品には33%かかります。
レストランでも昔は19.8%かかっていましたが、現在は5.5%です。

フランスの様々な改悪は日本に影響していると思いますが、
日本からの影響はあまりありません。
ただし、国がいま日本を真似てやりたいと思っているのは、
国立大学の独立行政法人化と国鉄の民営化ですね。
国鉄の民営化は10年くらい前から日本から資料を取り寄せ研究しているようです。

フランス人のたたかい方はデモとストです。
国はすぐには動きません。
「腐るのを待つ」のです。
長く続くと必ず、労働組合間で軋轢などがうまれるのでそれを待つのです。
今回の年金のたたかいも、連帯が長く続きましたが、組合割れがでできました。
法律は通り、すぐに施行されます。
次は2012年の大統領選につながっていきます。
もしサルコジや現政権が勝てば、さらにフランスの改悪は続くでしょう。
反対に負ければ修正されるでしょう。

フランスで暮していて幸せか?ということですが、もちろん人によるでしょう。

フランスでストレスがたまるのは、
なんでもアバウトで時間を守らないということです。
日本人は几帳面なので、フランス人と仕事をするのは大変です。

そして、フランスでは常に自己主張をしていないといけません。
「言わないとわからないでしょ」ということです。
フランスから見ていて、日本の外交は弱気すぎますね、
あれでは国際社会で太刀打ちできないでしょう。

日本人は知っている人に気を遣いますね。
フランス人は知らない人に気を遣います。
だから、フランスでは孤独にはなりません。
知らない人100人の中にいても、必ず手が差し伸べられます。
でも、身近な人には気を遣いません。
「言えばいいだろ」と言われるのです。

日本と似ているのは、歴史の古い国だということです。

フランスの最もいいところは「労働時間が短い」ということです。

でも、いま、自殺者が増えています。
典型的だったのが、フランステレコムが民営化されて
職場のいじめ、セクハラなどのストレスで自殺者が多発しました。

フランスでは教育費は基本無料です。
殆どの学校が公立ですから、大学も国立であれば登録料だけです。
でもフランスの学生は大変だといいます。
生活費を自分でまかなわなければならないから、
仕事をしている学生が増えています。

そして若者たちがいま直面しているのが、
大学をでても仕事につけないというとです。
フランスの社会党政権の時に「学歴をつけなければならない」という流れがあり、
沢山の若者が大学に進みました。
しかし、ドクターをとっても仕事がないという状況です。

依然はこうした状況の時には自治体が公的な雇用の場を作ってきました。
しかし、サルコジはそれをやめてしまったのです。
今、若者たちには絶望感が広がっています。
フランスではいま、若者たちの雇用が最も大きな問題です。

フランスの食糧自給率は120-130%です。
でも、戦後、フランスは100%なかったのです。
アメリカ、ソビエトから独立するために100%を目指したのです。
フランスは農業対策に力を入れていますが、アメリカからの強いプレッシャーがあります。

フランスの農業も様々な問題を抱えており、
例えばワイン作りをする人たちが高齢化しています。
一番若くても40歳代で、中心は60歳代です。
酪農でも、50頭くらいの牛をもっている中規模酪農家も利益が上がりません。
結局小規模は淘汰され、大規模なところしか残らないようになっています。

フランスの高齢者施設は二種類あります。

一つは元気な高齢者が入る施設で、
ワンルームにミニキッチンがあり自分で料理もできるが、
レストランもあり食べることもできる。
医師や看護師は常駐していないが、管理人がいる施設。
(日本でいう高齢者マンションのイメージ)
昔は70歳代、80歳代の高齢者がいたが、
現在は60歳第前半の人が多くなっている。
これは、定年退職後に自分一人で在宅で暮していくことに不安を感じている人が多く、
早くから入所したいという希望が強いため。
でも、待機者がしても多いのです。

もうひとつの施設は医療ケアが必要な人が入る高齢者施設。
ここは公共施設ですが、お金がかかります。

フランスの老後は裕福な人か、低所得者にはいいのですが、
中流クラスが一番困っているのです。

フランス人の政治意識の高さは、常に日常会話に政治のことがでてくるからです。
フランス人はよくラジオを聞いていますが、ここから様々な情報が流されています。
そして常に「討論」をしていて、学校でも討論するのです。
すべての場に自由に意見を述べることができる雰囲気が流れています。

いま、フランスでは少数の金持ちと大多数の貧困者が増えている、
という状況になっています。


・・・・・・・・・・・・・・・・

うーん、
フランスって、日本の今にとても似ていますね。

そこで国民がどのような動きをするのか、
それによって今後が決まるのだ、ということがよくわかる美帆さんのお話でした。

パリはずっと雨なんです。

みなさま、おはようございます。
フランス時間午前5時45分です。

日本のみなさまは午後の時間ですね。

昨日は午後10時過ぎに寝て、今朝は4時におきました。

まあ、だいぶん普通の(ではないか)時間帯にもどってきたかなという感じですか。

でも、早寝早起きって、頭が冴えますよね。
自分でも驚くほど、すべてのことを吸収している、という感じなんです。

フランスって、すごい国です。ほんとに。

昨日は午前中は美保・シボさんからフランスについてレクチャーをしていただき、
午後は市内観光でした・・・

・・・っが、
私たちがパリに来て以来、
天気はずっと雨なんです。
また青空は見てません。

フランスはとにかく北の方にあるので、
夕方は5時過ぎまで明るいのですが、
朝が明るくなるのが8時前。
さらにずつと雨なので、どんより・・・・という感じです。

でも、あまり寒さは感じません。
昨日も雨の中動きましたが、
私は冬装束ではありません。

みなさん、寒い寒いと言っておられるので、
これは着物効果かもしれませんね。

やっぱりすごいフランスの子育て施策②~相手を説得させるためにはインパクトのあるデータが必要

フランスの子育て施策の続き・・・・

次にやっていることは、多子家庭へのエイド。
フランスの多子世帯の定義はこども3人以上のこと。

これは産めよ増やせよ政策ではない。

1960年時点でフランスではこどもをうまないカップルが30%もいた。
その当時は日本がお手本だった。
現在の多子家庭政策はこどもの貧困対策として作られている。

この中心的な施策は日本もはじめた「こども手当」。
歴史は古く、19世紀から支給をしている。

2009年のデータでは以下。もちろん全部加算していく。

            (    )はひとり親の場合、単位は月額・ユーロ    
1人目        395(460) *1人目は低所得のみ
2人目        370(594)
3人目        753(1081)
4人目から      1244(1619) 

次に、住宅手当。
なぜ家族手当が住宅手当までするのかというと、
低所得家庭にとって食費より住宅費の方が割合が高く、
貧困対策としては優先順位が高いからである。

世帯収入が低い所に沢山支給する仕組みとなっており、
手当の3/4をクナフが支出している。

こうしたクナフの政策により
貧困家庭のこどもがかなり救われた。
フランスの貧困世帯のの定義は平均所得の60%以下。
2010年の貧困基準は月970ユーロ(1ユーロ120円換算で116400円)以下。

フランスで、もしクナフがなければ、こどもの貧困率は27%だが、
7%まで押さえることができている。

北欧と比較しても、
フランスは最も貧困対策が成功している国だと言えるだろう。
北欧とフランスとの違いは、
北欧は所得の格差が小さく、フランスは大きいということ。

クナフ「家族手当金庫」は国がやっているわけではないが、公的機関である。

理事会をもっており、
ワーカーユニオン(労働組合など労働者代表)
NPO
経団連
の三者の議決によつて決まる。

サラリーの低い人はこどもが多く、高い人はこどもが少ない。
こうした問題をどうやって解決すればいいのか、
そのために労使が1920年に地域的に金庫がつくられ、
1932年に全国均一の金庫となった。
そして1945年のSocial Security 設立の時に合流した。

家族手当金庫は国がやっているのではなく、
地域ごとに135の金庫がある。それをCAF(カフ)と呼ぶ。

フランスの家族政策の国家予算規模はGDP比4%で、
その60%はクナフが賄い、40%は自治体の税など。

クナフの財源は100%使用者の拠出で、労働者の負担はない。
(すごい!!子育て政策の責任は使用者と自治体だということですね)
使用者の保険料率はサラリーの5.4%。

クナフは国と様々な契約をしている。

1.手続き開始から支給まで15日間でやること。
  貧困家庭はさらに短く10日間で。

2.年間1900万人が窓口に来るので、待ち時間は20分以内。

3.電話は90%以上は出ること。

4.インターネットやメールにも答えること。

こうしたことを実行するために財政全体の2.6%のコストがかかっている。
フランスのこうした業務はすべてIT化されており、
その子どもの妊娠がわかった時から、
情報はクナフやカフ(地域組織)の端末ですべてみることができる。
このシステムをクリスタルシステムという。

また一方で不正摘発もしており、
600人のコントロールをする人がいて
1人が年間300件の家庭訪問をする。

・・・・・・・・・・

フランスは様々な手続きが遅い、などと思っている人がいるけれど、
実はどこよりもIT化が早くに進んでいる。
それはフランス人はとても合理的に物事を考える国民性だから、
というのが現地ガイドの方のお話でした。

・・・・・・・・・・・

保育体制は今後20万人分のこどものキャパを増やす予定。
保育園建設費の55%を補助する。

思春期のこどもへのサポートや家賃滞納者対策など、
全国に3000人のソーシャルワーカーがいて
様々な相談をしている。

今後の課題としてあげられるものは、
一番初めの子の一ヶ月目へのこども手当を手厚くするように変更しようかと考えている。
改善の余地は沢山ある。

若年者ワーカー、若者たちの労働は大変な問題をかかえており、
そして賃金がとても低い。
この問題をなんとかしないといけない。

スタッフはクナフに400人、カフに33000人がいる。

そして、国民6200万人のうち、3100万人が家族手当対象者である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

レクチャーからの後のいくつかの質問で、

私は、
「2050年を見据えての長期的投資だというご発言は
 大変に説得力があると感銘しました。
 こうした試算はいつごろからしておられるのでしょうか」
という質問をしました。

その回答は、

子育て支援、貧困対策は長期的投資としてとらえることは非常に重要。
なぜならいつかは保険料を払う人間になる。

私たちは常にリサーチセンターをもち、データ分析をしている。
相手を説得するためにはインパクトのあるデータがなければならない。
そしてエコノミックなアナライズは最も重要だ。

最後に

フランスのこどもが増えているのは
移民のこどもが増えているのだうという声があるが、
移民を除いても特殊合計出生率は1.9%であり、
移民への給付は全体の8-9%にすぎない。

・・・・・・・・・・・・

本当にいろんなことを学んだ2時間でした。

やっぱりすごいフランスの子育て政策①~2050年を見据えての長期的投資という視点

昨日のランチはホテル近くのレストランで、
前菜はエスカルゴ。

いままでのランチのレストランと違って、
落ち着いた雰囲気でお料理もおいしかったけど、
料理がでてくるのも落ち着いた感じ(つまり遅い)で、
レストランをばたばたと出て、
次の「全国家族手当金庫」に到着したのが予定の2分前になってしまいました。

玄関フロアには
「歓迎 日本のみなさま」みたいなメッセージが書かれ、
とても友好ムードでした。

フランス人は不親切、なんて風評がありますが、
どうして、どうして、
視察先のみなさまはとってもフレンドリーで親切で、
時間延長までして私たちにいろんなことを教えてくださる、
という感じなのです。
ですから、私たちも、というか、少なくとも私は、
一言ももらすまい、聞き逃すまいと
ものすごい集中力で視察に臨んでおります。

ですので、視察が終わって、夕食を食べ、ビールを一杯程度飲んだだけで、
もう「眠いっ、横になりたいっ」という感じです。
なので、私はまだ、パリの夜の街には全く繰り出していません。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「全国家族手当金庫 CNAF クナフ」

その名の通り、子育てをする家族に様々な角度からアプローチし、
様々な手当てをここから支給しています。

やっていることは

1.少子化対策 
2.多子・大家族対策
3.住宅手当
4.ひとり親対策(主に母子家庭対策)
5.こどもの貧困対策
6.こども手当支給
7.女性が働き続けるための対策(さまざまな保育方法の選択ができるように)

の7点。

なにを具体的なやっているのかについて・・・

◆まず、産婦人科で妊娠が判明する。
 そこで申請用紙に記入すると複写になっていて、
 一枚は「疾病金庫」に送られ、ここからの医療費はすべて無料となる。
 もう一枚はクナフ「家族手当金庫」に送られここから様々な支給がはじまる。

◆7か月目に890ユーロ(1ユーロ120円換算で106800円)が支給される。
 これはすべての妊婦のうち85%が受給(15%は富裕層)している。
 世帯収入年5万100ユーロ(年収約600万円くらい)以下が条件。

◆出産

 母親はサラリー100%保障での16週(3児以降は26週)の産休
 父親は同様に14日の産休

◆子育ての方法は以下のように様々な選択ができる。

 ・育休を選択した場合
   最大3年間、月560ユーロ(1ユーロ120円換算で67200円)支給

 ・仕事を選択した場合、
   パート復帰の場合は月額140~420ユーロの支給

 ・フルタイムの場合
  ○保育園・・・・10%が利用
    確保のための情報提供と保育料援助(40%自治体から、40%クナフから、20%自己負担)
    *フランスでは3歳児からはプレスクールで義務教育となるので、保育はいずれも2歳児まで
 
  ○保育ママ(認可うけた人が自宅で三人まであずかれる)・・・22%が利用
    父母は雇用主となるので使用者拠出が必要だが、免除となり、保育料も月270ユーロ補助

  ○保育ママを自宅で雇う(ベビーシッター)・・・・2%
    使用者拠出金50%減額(収入条件あり)   
    
  ○祖父・祖母に預ける
    月178ユーロ支給。

  ○プレスクールで二歳児保育をはじめているケース・・・7-8%

  
昔は、北の地方が貧しくてこどもが多く、南の地方が裕福でこどもが少なかったが、
こうした様々な施策を行った結果、今は地域が関係なくなってきた。

特殊合計出生率は2.0。
この数値しEUでは一番高い。
ヨーロッパで一番高いのは、アイスランド。
アイスランドは少子化対策に大変力をいれている国。

エコノミストの観点から言うと、
2050年、高齢化により、EU各国は、医療・年金等の支出が
GDPの+5%支出となるが、
フランスは+4%の支出で抑えられる。
なぜならば、負担する人の数が増えるからだ。

今現在、家族手当で160億ユーロ(1兆9200億円)の手当を出している。
GDP比+4%でいくということで、1%分とは200億ユーロで、
手当との差は40億ユーロとなる。

私たちは2050年にむけての長期的投資と考えているのだ。
(うーん、これは説得力ありますよねえ・・・・感動ものですよ)

・・・・
「家族手当金庫」がやっていることはまだまだいっぱいあるので
②につづく・・・・

雇用・失業問題はあくまで労使で決める・・・それがフランス

みなさま、おはようございます。

こちらは午前5時前。
でも日本はいまもお昼時ですね。

昨日は午前中は「全国失業手当金庫」へ、
そして午後は「全国家族手当金庫」を訪問しました。

フランスでは Social Security、
いわゆる日本でいうところの社会保障制度は
殆どが労使の拠出(使用者の拠出が圧倒的に大きいですが)でまかないます。

そのお金が入るのが「金庫」というわけで、
その金庫には税金はほとんど入りません。

税金が入らないから、
決定権は労働者側と使用者側(経済団体)の
同数出席の理事会で多数決で決めます。
これをパリタリズムといいますが、
訪問先のあらゆるところで、この言葉や理念が出てきます。

ただ、疾病保険金庫はかなりの累積赤字を抱えているために
国からの税金が入るようになり、
そのために「パリタリズムの崩壊、形骸化」という言葉が、
金庫側と労働組合FOからもでました。


午前中訪問した「全国失業手当金庫」(L'UNEDIC ユネディック)

お話いただいたのは、責任者のジャンポール・ドメックさん。

ここはその名の通り、
失業手当を出すところです。
この金庫は1958年に設立されました。

フランスのSocial Securityは1945年設立で、
フランスは戦勝国だったので、
その当時は高成長の時代で「失業問題」はなく、
1957年に「失業問題」が人々の意識に生まれたとのことで、
ですので、「失業手当」はSocial Securityではないのです。

時のドゴール大統領は「労働問題には国の管理は必要なし」と判断し、
労使に管理をさせることにしたのです。
失業問題は労気の議論によって解決すべき問題だと考えたのですね。

そして、
①コンパーション・コレクティブ(労使協定)を決定
②法令、協定、条例、通知などを管理する

この2つ役割の組織をつくりました。
そして、それはセンターごとではなく、
全体的に(全国的に)統一されたユニークなものを作ったのです。

こと、失業手当については、他の金庫のように
一階とか二階などはなく、ひとつのものであり、
そして、国が関与せず、労使で作っているものです。

財源は労使からの拠出とキャピタルゲインであるCSGとCRDSで、
ここユネディックが管理をし、
給付条件や規則などを決定します。

フランスではいままで
失業手当を支給する機関(ANPE)と職安業務(ASSEDIC)が別々でしたが、
2008年から一つになり、POLE ENPLOI(ポール エンプリオ)ができ、
失業手当金庫が決定したことを実際に行います。
日本のハローワークですが、国の機関ではありません。

この金庫は現在も国費(税金)は全く入っていないので、
いまもパリタリズムが確立しています。

ただ、この経済状況のもと、
収支バランスを取るのが大変難しく、
現状としては赤字がつづいているとのことでした。

支出規模は、260億ユーロ。
(1ユーロ120円とすれば3.12兆円)

ここの理事会(労使)で議論し、決定したことで
実現可能なものから法令化されます。

また、POLE ENPLOIがちゃんと仕事をしているのかどうかについても
金庫が監査をします。

現在の給付期間は
50歳未満は最長24か月
50歳以上だと最長36か月
61歳以上で年金満額支給条件に満たない場合は3年以上になる場合もあります。

支給額は総支給額の57.4%、手取り金額の70%が受け取れます。

また、月々支給する方法だけでなく、
例えば起業したいという場合などは
36か月分の半分を一括で支給することもできます。

フランスの労働基準法は非常に労働者を守るものとなっています。
前よりも、もし給料の低い仕事で働いた場合、その差額が支給されます。

また、フルタイムでの仕事がなく、パートで働かざるを得なくなった場合も、
その差額が支給されます。

2010年12月31日現在の予想値では失業手当受給者は233万人。

保険料はサラリーの6.4%で、使用者が4%、労働者が2.4%。
徴収は「拠出金徴収機構 URSSAF ユーフサッフ」が行います。
(その他、疾病保険、家族手当、年金などの拠出金も一括してここが徴収します)

失業手当は最大36か月支給となるので、
3年で仕事がみつからなかったらどうなるのか。

その次に支給されるのはASS(特別連帯手当)で、
これは国からの支給(財源は税)となります。

金額は一日15.14ユーロ(1ユーロ120円換算で約1817円)。
(かなり厳しい金額ですね)

そして、最後のセーフティネットは
RSA(エレッサ)です。

2009年にそれまでのREI(エレミー)からRASに変わりました。

2つの大きな違いは
REIは働いていないことが条件だったのが、
RSAは仕事を探すことを条件にし、現在仕事がない場合と
働いていても貧困な労働者(ワーキングプア)にも支給する、という点です。
(これは労働組合FOでも同じように説明されました)

RSAの財源は県の税金であり、家族単位で支給されます。
金額は単身だと月469ユーロ(1ユーロ120円換算で56280円)で、
人数がふえれば加算されます。

・・・・・・・・・・・・・・・・

ここまでが説明でした。

フランスでも現在は
失業対策は「雇用」を前提としたものになつていること、
それは日本の生活保護が「自立支援」という名前で、
「働くこと」を第一条件にしていることとよく似ています。

でも、こうしたやり方は経済状況と大きくかかわるので、
ちよっと無理がある・・・と思わざるを得ません。
それは、一昨日のFOの失業・雇用担当の方も、
「そうは言ってもあまりに経済状況が悪いですからねえ・・・」
と言っていましたしね。



フランス一、EU一充実している小児病院を訪問

午前中の濃密な労組訪問を終えて、
ランチはオペラ地区にあるレストランへ。

オペラ地区というのは、
パリで本も有名な観光地区で、
ルーブル美術館などもあり、とても美しいところ。

一時間ほどの食事を終えてバスに乗り込み、
パリ19区にあるロバート・ディプレ小児病院に向かった。

19区はオペラ地区とうってかわり、
道は狭く、さらに街ゆく人々の様子が変わり、黒人が半分くらいを占めていく。
みるからに、貧困地域なのだな、ということがわかる。

パリ市内はいま、トラム(路面電車)を通すための工事があちこちで行われており、
この工事現場で働く人々もほとんどが黒人だ。
工事のために道かせまくなっており、
バスは病院に近づくことができず、
私たちはパスを諦め、徒歩で病院に向かった。

病院では、プロフェッサー(教授)エドガーさんからお話をいただく。

大変な親日家ということと、
病院として日本人の視察団を今回初めて受け入れたということを聞き、
「もしかして、私たち日本代表!?」という緊張感をもつ。

エドガー教授はパリ第7大学教授で小児神経科責任者
そしてフランス病院連盟コンサルタント(相談役?)とのこと。

2002年に東京で開催された世界小児神経学会にも参加され、
日本の小児神経学会のドクターとも交流があるということで、

ふくやまさちお
せがわまさや
おおさわまきこ
すずきよしゆき

という方がたの名前が挙げられ、日本のこうしたドクターをとても尊敬していると
何度も何度もおっしゃっていた。

(残念ながら団の中に小児科医がいなかったため、
 この先生方の名前を誰一人しらなかったのだが、
 視察団の安達先生に後できいたところ、
 小児神経の分野ではとても著名な方々だ、ということだった。)


全世界的にそうだが、
小児科は医療政策において優先順位からはずされている。
日本の小児病院は大人に比べ手薄だと感じている。
現在、国の公衆衛生委員会で、どう是正していけばいいのかと考え取り組んでいる。

EUの中に病院評価のポイントがいくつも定められているが
この病院院評価機構のポイントは小児病院にとっては不利であり不十分である。
そのため、これを変える動きもしている。

国際小児学会には世界中の100万人のドクターが加盟しており、
私はこうしたドクターの力をあわせれば、改善できると考えている。

たとえば、小児医療の問題で言うと薬剤の使用方法の問題がある。
殆どが治験されておらず、
子どもに使うことが許されていない薬を使わざるを得ない状況となっている。
多くの薬剤が子ども用に治験されていない。

小児の薬剤解決のために、
①小児治験をすれば2-3年パテントを延長する措置をとる。
②難病の薬などを治験したところにはプライム(ご褒美)を与える、
などの提言をしているが、
①はあまり効果がないので中止し、CMをスポットで流すことも考えている。

そして、フランスにも食育問題がある。
子どもたちの朝ごはん、日本の大阪の子どもたちは朝ごはんには何を食べていますか?
ぜひ写真を取って送ってほしい、教えてほしい。

フランスでは
①マクドナルドの弊害
②ひとり親家庭の増加
がある。

パリ市内に37病院があるが、
ここロバート・デュプレ小児病院は最大。
これはフランス最大でもあり、EUでも最大級。

ベット数は410床。
60床は産科。
年間22000件・15000日の入院があり、
3000件の出産を扱う。
小児のER(救急)は7300件
産科のERは7500件。
外来は22万件。

小児外科手術、神経外科手術以外のすべての手術を行うことができる。

大学病院でもあり、
30人の教授
25人の准教授
350人のエクスターン(研修医?)
230人のインターン
625人のナース
がいる。

スタッフは
540人のドクター
1800人のノンメディカルの職員
がいる。

運営費は年間1.7億ユーロ(200億円)で
投資費用は700万ユーロ(8.6億円)
減価償却は入っていない。
収支はトントンで、
その理由は、25%の診療報酬以外の別枠予算があるから。
この別枠は小児の特別な研究に対するプライムであり、
治験や研究による。
ドクターは毎年2本の論文を書かなければならず、それはノルマでもある。
また、貧困層へのチャリティ医療に対する予算もつく。

こどもの医療費は一階建て部分と二階建て部分でほとんどがカバーされており、
自己負担をすることはない。
また妊婦検診や出産費用も無料である。

・・・・・・・・・・・・

その後、病院内を案内していただく。
現場のドクターからも様々な説明をいただいた。

・・・・・・・・・・・・・・・

ここには現在500グラムで生まれた超未熟児の双子もいる。
22週以上の出産であればここで生まれるが、
25週までで生まれた子は無事に育つ可能性はほとんどないので、
生まれるとすぐにターミナルにまわされる。
(かなり衝撃的な話です)

37歳までの妊婦はすべて血液検査で胎児の障害の有無をチェックし、
要検査となつた時点から無料で羊水検査をうける。
38歳以上であればすべての検査は無料。
もし、羊水検査の時点でダウン症とわかったら、
フランスでは産まない、ので現在ダウン症はほとんどいない。
(うーん、相当衝撃的な話でしたね。)

このすべての(心臓手術以外の)治療ができる医師がそろっており、
国内すべてのハイリスク出産対象の妊婦はここで出産する。
そして、出産後も三歳まで地域の開業医とのネットワークがむすばれ、
フォローがされる。

・・・・・・・・・・・・

井上会長にお伺いすると、
こんなに充実した小児病院は日本には存在しない、とのこと。

フランスの医療制度はいま岐路に立っているけれど、
こと子どもの医療に関しては
たぶん世界トップレベルの医療内容と、
それを保障する医療制度を持っているといえることがはっきりとわかりましたね。

ものすごい病院を私たちは視察した日本で初めての団体、のようです。



午前中のFO、そして午後の小児病院。
いずれも、大変濃密な内容の視察でした。

コーディネートしていただき、
さらに通訳をしていただいた奥田七峰子さんに本当に感謝・感激です。

そして、その内容を忘れてしまわないように、
そしていろんな方と共有できるようブログにメモ。

いまフランス時間4時50分です。

フランスに来てから、ずっと雨です。
でも着物のせいか、寒さはあまり感じません。

今朝も雨のようですよ。

いまからお風呂に入ろうかと思います。

今日の視察は午前中は昨日FOでも話の出た
「全国失業手当金庫」
午後は「家族手当金庫」です。


フランス最大の労働組合FO「労働者の力」②あまりに悪い雇用状況に苦闘

引き続き、失業問題・雇用問題対策室のシルビアさんからレクチャー。

フランスの労働市場は長年の経済の不安定によって変化してきている。

フランスの労働人口は2700万人。
これは16-59歳人口から学生や病人を引いた理論上の数字。

46%が女性で54%が男性
70%がプライベートセクター(民間企業)
20%がパブリック(公務)
10%が自営業者
で、給与労働者が多い。

雇用率は64%だが、
若年層の雇用率は34%
55-59歳の雇用率は55%で半分は失業中。

フランスでは現在300企業が存在するが、
その93%(279万)は零細(従業員10人以下)で
殆どが1人でやっている企業。

ILO定義で失業率は10%。
15-25歳の失業率は24%で、こんなに高いのは初めてである。

これまでも経済危機はあった。
オイルショックとリーマンショックの違いは何か。
最も影響があつたのは男性労働者と若年者だということで、
若い男性は最悪だ。
いままで失業に直面するのは女性だったが、
今回、サブプライムのように不動産系、建設系にダメージがあったので、
その職場は男性色が強い職場ということで、影響をうけた。

2008年にANPE(失業手当支給機関)とASSEDIC(職業安定所)が合併した。

460万人の失業者のうち失業手当(労使の拠出が財源)を受けているのは半分以下で
受けられない人は失業保険(税が財源)を受ける。
また、失業手当は最大36か月までなので、
それを 超えた長期失業者は失業保険をうける。

これまでのRMI(エレミー、生活保護)はRSA(エレサー)に変わった。
一番の違いは、
RMIは働いていない人に支給されたが、
RSAはワーキングプアにも支給されるようになったこと。

フランスでもワーキングプアが増えてきた。
理由は
①パートタイム労働が増えてきたこと
②ひとり親家庭が増えたきたこと
による。

・・・・・・・・・・・・・

ここで二時間の予定のレクチャーは30分延長の末、時間切れ。

フランスはRMIからRMAに変わり、
これはすなわち、雇用を中心とした失業対策にかわったと思うが、
それに対する評価は?

という質問に対して答えは

「あまりに雇用状態が悪く、それだけでは問題は解決しない」
とのことだった。

まさにね。
フランスも日本と同じような雇用状態を抱えているのだということを実感しました。

フランス最大の労働組合FO「労働者の力」①高い理念と現実の苦悩

現在、フランス時間午前二時半。

相変わらず、こっちの時間になじんでいないけれど、
でも早く寝て、早く起きる(早いというか、夜中だけど)と、
頭がすっきりとするので、朝までの時間に
頭の中をまとめて記録ができるので、よしとしよう。

昨日9日の午前中は、
フランス最大の労働組合総同盟FO(労働者の力)を訪問。

ここで、社会保障部門担当のジャンマイクさんにお話をうかがう。

20101109労働組合FO

彼は社会保障部門の「社会保険」担当。
一昨日訪問した全国社会保険疾病金庫の労組代表であり、
家族手当金庫担当でもあり、
さらに社会保障の財源担当者でもある。

ということで、
まさに私たちが知りたいと思っている部分の直接の担当者の方であった。

まず、
フランスの労働組合組織率は低い、ということについて。

組織率は10%未満で8-9%くらいでしょう、とのこと。

そしてなぜこんなに組織率が低いのか、といことについては、
フランスでは、労働者の権利は労働法によって守られているが、
それは最低限の権利であり、
具体的には
セクターごとに労使協定がむすばれるのだが、
それは最終的に労組がサインをして決まる。
そしてその恩恵は労働者全員に行き渡るので、
わざわざ組合に入る必要はない、ということになる。
しかし、非協力的なことや邪魔をする、ということは一切ない。

北欧諸国の組合組織率は90%を超えるが、
これは組合に入っていないと
ソーシャル・セキュリティ(社会保障)の恩恵にあずかれないからだ。

フランスは共和国なので、
自分の存在を自由に認め、認めさせる、というのが基本理念。
「自由選択」「自由意思」をもっとも尊重する国。

低い組織率の問題は、あることはある。
それは組合費収入が少ないために、組織費用が少なく、活動に支障がでること。

しかし、組織率が低い、ということは、
組合員一人ひとりは非常に積極的に活動しており、
組合のために働く人をみつけることはたやすい。
私たちはそういう人をミリタリー(闘士)と呼ぶ。

フランスでのセキュリティ・ソーシャルのイメージは「医療保険」。
フランスの社会保障は1945年終戦の年に生まれた。
戦時下のレジスタンス活動を全戸くに広げよう、と考えていた。
すでに部分的に、また地域的に、職業的に、社会保障的な制度があり、
それを全国的に、全国民的に広げようと決定された。

フランスの社会保障理念は

みんなの収入によって、
富める人は沢山出し、貧しい人はそれなりに、持たざる人は出さずに、
必要であれば必要なだけ、
連帯と平等の精神

という3つの理念のもとつくられた。

この3つの理念は死守しなければならない、と考える。
ただ、このの3つを守るための欠点は、
「コストがかかる」ということ。

フランスのこのソーシャル・セキュリティの財政規模は3兆ユーロで
国家予算より大きい。
(現時点で1ユーロは120円ほど・・・ということは360兆円!?)

収支は赤字だが、バランスをとろうと必死でやってきたが、
リーマンショック以来、大赤字となっている。
しかし、累積赤字は国家の赤字より少ない。

財源は使用者と被用者(労働者)の拠出金。
被用者は拠出金(保険料)と呼ぶが、
使用者はチャージ(負担金)とよぶ。
これは使用者側にとつては負担そのものであり、
この高い拠出金が競争力の足かせになっていると考えている。

そのため、この使用者側のチャージ軽減のために
国は300億ユーロを出している。

しかし、現在、この予算(疾病金庫か?)を我々が決めることはできない。
国家が権限を強めており、結果と市国に決定権がある。

フランスはEU加盟国であり、
EUの取り決めは絶対に守らなければならない。
1996年のジュップランにより国家の権限が強められた。

EUからのプレッシャーがどんどん降りてくるために
我々は必死になってそれに合わせている・・・という現状だ。

でも、何を守らなければならないのか、
とにかくこの制度を崩壊させないこと。
我々はいま必死になって、ぎりぎりの状態だ。
そして、守るべき理念は
「ミニマム(最低限)ではなくも必要なものに、必要なだけ」だ。

・・・・・・・・うーん、悲壮感が漂うような決意を感じましたね。

行く、フランスではリベラル経済派(右派系、日本でいう新自由主義か)の声が大きくなっている。

「沢山だした人には沢山つかわせろ」
・・でもこれは「自由保険」の考え方だ。

今、フランスはサルコジ政権なので、
このままこうした考え方が進んでいくと、
医療保険の金融商品化となり、
疾病保険の二階建部分(民間保険を中心としてた補足的な保険)の比重が大きくなっていくだろう。

年金改革が先月に終わった。
次に国がやって来るのは医療改革だ。
しかし、今回の年金改革で国は疲れきっているので、
2012年の大統領選挙後にあると思う。

私たちは「基本理念」を死守する。

今、フランスはアメリカに近づこうとしている。
一方、アメリカ・オバマ政権はフランスの医療保障に近づけようとしている。
私たちはアメリカがダメだといってるいのではなく、
リベラル経済主義を否定する。

疾病金庫には35の議席があり、
そのうち13が労働者、13が使用者、9が二階建て部分や専門医やNPO代表となっていて、
以前は多数決ですべてを決定していた。
しかし、2004年、パリタリズムは骨抜きとなった。
(一昨日の疾病金庫のガブリエルさんは崩壊と表現した)
この35人の議員の中に国家代表はいないのに
決定権は国にあり、我々は話し合いはするが決定権を持たない。

フランスでは現在、800万人が二階建て部分に入っていない。
(フランス人口は6200万人なので、計算すると13%。フランスの貧困率とぴったりとあう)
フランスではいま、富裕層は健康であり、貧困層が不健康という傾向となっており、
収入の多寡で受けれる医療が変わってきている。

フランスでは国民一人一人が「ビタルカード」を持っているが、
このカードにより、オンライン請求は毎日行われ、
だいたい5日後に口座に償還される。
(フランスではいったん医療窓口で全額払い、その後7割が償還される)
窓口での支払い方は、現金、クレジットカード、小切手などだが、
小切手が多く、これなら決済されるまでに口座に7割がもどっている状況となる。

償還払いでなく、現物支給となったら、
自由選択のかかりつけ医制に規制がはいるのではないか、と考える。


・・・・・・・・・・・・・

一昨日の疾病金庫でのレクチャーの内容とかなり重なり、理解が深まりました。
労働組合の高い理念、が
サルコジ政権と新自由主義経済への傾倒の中でも
フランスの社会保障制度を死守しているのだと、
かなり悲壮感もただようレクチャーでもありました。





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crecre

Author:crecre
大阪の社会保障のことなら何でもまかせて・・・といえるようになりたいと日々勉強勉強
大好きなものは・・・
着物、旅行、露天風呂、読書、映画、足つぼマッサージ、料理(なんでも作ります。特にパスタははっきりいって、そのへんのイタリアンには負けませんし、時間さえあればピザも生地から、餃子も皮からつくります。煮物も大得意です。最近パンも焼いています)
大好きな人たちとの楽しいおしゃべり+美味しいお料理。
表計算ソフトのエクセル・統計が大好きです。
大切なものは・・・もちろん2人の息子、そして三匹のにゃんず。
性格は・・・非常に前向き、後ろは殆ど振り向きません。

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