年をとるということ
2008年06月10日 (火) | 編集 |
昨日、
介護保険白書作りの一環で
ケアマネジャーと利用者取材のために
西成医療生協に半日お邪魔した。

ケアマネジャーであり事業所の管理者でもあった
Yさんにインタビューをしたあとお二人の利用者さん宅を訪問した。

Hさんは91歳の女性。
独居で、要支援で、週に一回のホームヘルプとデイサービスを利用。

毎回の認定で、(状態はぜんぜん変わっていないのに)
要支援になったり要介護1になったりする。
要支援になると介護タクシーが使えないのが困ると。

足が痛くて歩けないがとてもしっかりとしておられて
頭はとても冴えている。

「この家で自分の事は自分でやりたい。
ゆっくりとしか動けないから一日があっという間にすぎる」
とおっしゃる。

さらに
「このごろのデイは手がたりひんのとちがうか?
認知症の人も増えてきて、とても心配」

「デイの食事はとても美味しいよ。
前は美味しくなくて全部食べへん人多かったけどな
いまはみんな残さずにたべてるやろ」
と、診療所の様子も冷静に見ておられた。

「やりたいことは針仕事。
ずっと着物の仕立てをしてきましたけど
目が悪なって針にとおらしません。
あんた、そう、着物きはんの?自分できつけしはんの?習いはったん?
うちの孫もこのまえ浴衣きてましたわ。
そうですか、着物きはるんやね」
目を生き生きさせて話してくれた。
着物がとても好きな方なんだ。

次に行ったMさんは76歳の女性で要介護2。
お花とお茶の先生をされていただけあって
きちんとお化粧もされて髪も栗色に染めてとても素敵な方だった。

膝関節が悪いのと心臓が悪く
玄関入ってすぐの部屋においてあるベットに腰掛けてのインタビューだった。

ホームヘルプはほぼ毎日利用し、
主に掃除と週3回の銭湯での入浴介助を頼んでいる。
4、5年前までは心臓が悪く耳の遠いご主人の介護をしていたが
いまは自分が介護をされる身となってしまった。

「若い頃は丈夫でものすごい仕事してましたよ。
そんなに寝なくても元気でね、
年取ったらゆっくりしようとおもてたけど
こんなに体わるくなるなんて考えてなかったよ。」

「気持ちは若いときと何にもかわらへんのやけど、体がついてきません。」

「毎日ヘルパーさんに助けられて生きてます。
ヘルパーさんにきてもらえなくなったら生きていけません」

「私みたいに銭湯にヘルパーさんに連れて行ってもらう人
昼間はようけいはります。
ひどいヘルパーさんいてね、
時間か計って、5分湯船に浸かっていうて押さえ込んで
はい、5分たったから次はからだささっとあろうて、みたいにな。
あの人最近みいひんなったわ、病院にでもはいってはるんかな。
認知症ちょっとあったみたいやわ」

「銭湯は情報交換の場やから、よくおしゃべりしますよ。
でも、銭湯つづけるの大変やいうてるでしょ。
あの銭湯なくなったら、ほんまに困るわ。
お風呂はいるとねよく眠れるのよ。
入れない日は足湯をするの。お父さんまだ力あるからお湯もってきてくれるの」

「後期高齢者医療制度もひどいし
介護保険も介護の仕事するひと少なくなって困っているって。
年寄りの知恵を宝にする国にしないあかんと思うんよ。
人間大切な国にしないと」

「孫がね貯金しなあかんあかんっていって
必死に貯金しているの。
友達が派遣でいつやめさせられるかわからへんって言ってたって。
将来が不安なんやね。若いのにかわいそうやわ」

「診療所の経営いけてるんかどうかものすごく心配。
もう30年来お世話になっているし
これからもお世話にならないかんし
だからすごく心配しているんよ」

お二人とも
さすが医療生協の長年の組合員だけあって
経営の心配などをされているところが、
単なる病院と患者のつながりとは全く違う。

そしてお二人の話をきいて
老いるということの意味をつくづくと考えた。

お二人とも
若い頃は体は丈夫でよく働いておられた方だ。
よもや数十年後に介護が必要となるとは思ってもみなかったに違いない。
70歳を超えると急速に老いがやってくる。
それは、その時がきてみないと分からない。

でも何歳になっても
痛みは怖いし
病は治したいと思う。

お二人の女性のお話を聞いてそれを強く感じた。

お二人は、いろんなことを教えてくださった。
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