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発信言語化プロフェッショナル

昨日の日曜日は午前中は事務所で会計。午後はおおさかヘルパー連絡会第3回総会。私は代表委員の一人で開会挨拶。

記念講演は京都女子大学家政学部・井上千津子教授。
お話は初めて聞きましたが、ヘルパー対象の学習会では最高にいい内容でしたし、私自身の仕事を考える上でも。
井上教授は歯切れのよいはっきりした口調で70分間語られました。
内容がとても感動的だったので紹介します。


・・・・・・・・・・・・・・・

私は昭和48年から18年間ヘルパーでした。
その頃はホームヘルパーという名前はなく、家庭奉仕員と呼ばれていた。

前職は教師だったが、勤務評定の嵐や偏差値教育のなかで生きがいが持てずに辞め、新しい仕事を探していたとき、市役所広報に「家庭奉仕員募集、経験不問」とあり受験。

採用されても紙一枚渡され何のオリエンテーションもなく地下室の倉庫のような部屋が私たちの部屋だった。
雇用は非常勤特別職。なんのキャリアも能力も評価しない、身分証明書ももたされなかった。

初めての訪問先にもなかなかいれてもらえず、初めて入った部屋は薄暗い窓ひとつしかない、枕もとには水くちと冷めたおにぎり。辱そうと汚物にまみれエビのように固まっているが目だけが光って、言葉にはならない言葉を発している高齢者。

その時はじめて家庭奉仕員になったことを「しまった」と思ったが、いま目の前にいる、「あー」とか「うー」とか言葉にならないけれど、でも人間としての叫びをあげている人から目をそらしてはいけないと踏みとどまった。

ヘルパーは人生の終わりを支える仕事。だからヘルパーが大切にされないのはおかしい。
ヘルパーが大切にされる世の中でないと老後はよくならない・・・ずっとそう思い活動しつづけている。

18年雪国でヘルパーをしたが、人の命にかかわる仕事なのに何の研修もなかった。絶対にヘルパーには研修が必要だとずっといい続け、全国の仲間と組織を作った。日本家庭奉仕員協会が出来たとき、組織に入った。

 誰からも牛耳られず誰をも牛耳らない
 ヘルパーは介護の専門家であるべきだ

その信念で続け、私は協会の第3代目会長になった。厚生省からは「協会には突然変異がいるから気をつけろ」といわれた。

もともと、ヘルパーの対象は生活保護世帯か非課税であり、選別的なサービスで、無料が原則。しかし、高齢化社会が社会問題となり介護が普遍化する中で対象が拡大。
お金があろうと無かろうと介護問題はある。
そして、お金のある人からは取ろうとなり、有料化となり、福祉の世界に紙幣が入り込んだ。

有料制とはお金でサービスを買うということ。変われるサービスとなれば、ヘルパーはプロで無ければならない・・・
そういう流れの中でヘルパーの1級・2級・3級研修がつくられた。

この研修制度の中で、はじめて「家事援助」と「身体介護」がわけられた。私は研修には絶対に「実習」を盛り込む必要があると主張、けれども在宅への訪問実習はまかりならん、施設ならいいとなった。在宅はプライバシーがあるからと。施設には無いのか?という大きな問題点はあったがそこは譲歩。しかし、あまりに文句を言っていたら、次の審議会からはずされた。

介護保険について、私は総論賛成・各論反対。
たしかに介護保険導入によって介護は社会化した。社会化とは、社会の責任で介護を行うということ。
だから、ヘルパーはプロであるべき。そして国家資格であるべき。
国家資格をもつというのは、利用者に対して安心を与える。
だから介護福祉士の国家資格を10年かけて作った。しかし、国家資格を作りながら、要介護者何人に対して介護福祉士何人という必置基準がないのが問題。

介護福祉士は資格名であり、ホームヘルパーは職名。
ホームヘルパーの8割を介護福祉士がしめたとき、この国家資格が大きな力をもつ。

生活を根底から支えるヘルパーは発言力がなければならない。国家ライセンスのないものには発言力がない。医師・看護師・保健師・・総べて国家資格。だからホームヘルパーには国家資格が必要。

どんな「介護」を目指さなればならないのか。
「尊厳を守る介護」とは・・・命を守り、生きる意欲を引き出す介護。

ヘルパーが社会的に認知されなかったのは、「生活を支える」といいながら、「生活」の中身を語ってこなかったから。そして介護の手段を目的にしてしまったから。
つまり、命を守り生きる意欲を引き出すための介護なのに、1時間半でどれだけ仕事ができるかでヘルパーの能力を測ったりする間違った方向になっているということ。

ヘルパーの質をどこで計るか。

それは科学的に自分たちのやってきたことを計るものさしをもたないといけないということ。
ものさしは4つ。

①生理的欲求を満たしているかどうか
②心理的欲求を満たしているかどうか
③社会的欲求を満たしているかどうか
④文化的欲求を満たしているかどうか

介護保険のみなおしで細切れ介護・駆け足介護になり、生きがいがもてず、ホームヘルパーの離職率はどの職業よりも高い。
本当の介護をするためには、ホームヘルパーが自らの行動を外に見せ、言語化する力を自らが持つ以外にはない。

「生活」とはなにか。
「生活」とは「生命の活性化」の略。
人は生命を活性化するためにさまざまな行為をしている。生活行為の相対は1つの束になっているが、その束がこぼれおち束が崩れ落ちているのが要介護状態。そしてそれは生命が危険にさらされている状態。

「生活」という束は一つ。だから「生活援助」と「身体介護」を切り分けるのはおかしい。介護とは生活援助。
生活援助がどれほど大切か。ホームヘルパーにはわかっているはず。だから、ホームヘルパーの発言と行動が必要。

ヘルパーの仕事とは。

①生活基盤をしっかり作ること。そのためには4つの欲求を満たすこと。
②家事援助をするプロセスが大切。目の前にいる人は過去の人生とこれからのの人生の間にいる。その人が生きてきたように家事援助をする。それはその人の人生を肯定し、自己実現を図り、自己承認されること。たたみのめに沿って箒で掃除をしてきた人には、時間がかかっても箒でそうじを。
③疾病のうらには生活基盤の崩れがある。生活基盤が脆弱だと疾病がおこり、要介護状態になる。
④その家の文化は地域の文化であり、ホームヘルパーは文化の伝承者であり、歴史をつくっていく大きな担い手である。

ホームヘルパーの仕事は重要であり、専門性がある。
でも実際には仕事がしにくい。

だから、なにが問題なのか、問題を外へ出していくのはホームヘルパーがやらなければならない。

ホームヘルパーが自分たちの力で発信し言語化すること。
それが何よりも必要だ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ヘルパーさんの仕事ってすごいんだなあ・・・
改めて知りました。



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Author:crecre
大阪の社会保障のことなら何でもまかせて・・・といえるようになりたいと日々勉強勉強
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着物、旅行、露天風呂、読書、映画、足つぼマッサージ、料理(なんでも作ります。特にパスタははっきりいって、そのへんのイタリアンには負けませんし、時間さえあればピザも生地から、餃子も皮からつくります。煮物も大得意です。最近パンも焼いています)
大好きな人たちとの楽しいおしゃべり+美味しいお料理。
表計算ソフトのエクセル・統計が大好きです。
大切なものは・・・もちろん2人の息子、そして三匹のにゃんず。
性格は・・・非常に前向き、後ろは殆ど振り向きません。

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