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雇用・失業問題はあくまで労使で決める・・・それがフランス

みなさま、おはようございます。

こちらは午前5時前。
でも日本はいまもお昼時ですね。

昨日は午前中は「全国失業手当金庫」へ、
そして午後は「全国家族手当金庫」を訪問しました。

フランスでは Social Security、
いわゆる日本でいうところの社会保障制度は
殆どが労使の拠出(使用者の拠出が圧倒的に大きいですが)でまかないます。

そのお金が入るのが「金庫」というわけで、
その金庫には税金はほとんど入りません。

税金が入らないから、
決定権は労働者側と使用者側(経済団体)の
同数出席の理事会で多数決で決めます。
これをパリタリズムといいますが、
訪問先のあらゆるところで、この言葉や理念が出てきます。

ただ、疾病保険金庫はかなりの累積赤字を抱えているために
国からの税金が入るようになり、
そのために「パリタリズムの崩壊、形骸化」という言葉が、
金庫側と労働組合FOからもでました。


午前中訪問した「全国失業手当金庫」(L'UNEDIC ユネディック)

お話いただいたのは、責任者のジャンポール・ドメックさん。

ここはその名の通り、
失業手当を出すところです。
この金庫は1958年に設立されました。

フランスのSocial Securityは1945年設立で、
フランスは戦勝国だったので、
その当時は高成長の時代で「失業問題」はなく、
1957年に「失業問題」が人々の意識に生まれたとのことで、
ですので、「失業手当」はSocial Securityではないのです。

時のドゴール大統領は「労働問題には国の管理は必要なし」と判断し、
労使に管理をさせることにしたのです。
失業問題は労気の議論によって解決すべき問題だと考えたのですね。

そして、
①コンパーション・コレクティブ(労使協定)を決定
②法令、協定、条例、通知などを管理する

この2つ役割の組織をつくりました。
そして、それはセンターごとではなく、
全体的に(全国的に)統一されたユニークなものを作ったのです。

こと、失業手当については、他の金庫のように
一階とか二階などはなく、ひとつのものであり、
そして、国が関与せず、労使で作っているものです。

財源は労使からの拠出とキャピタルゲインであるCSGとCRDSで、
ここユネディックが管理をし、
給付条件や規則などを決定します。

フランスではいままで
失業手当を支給する機関(ANPE)と職安業務(ASSEDIC)が別々でしたが、
2008年から一つになり、POLE ENPLOI(ポール エンプリオ)ができ、
失業手当金庫が決定したことを実際に行います。
日本のハローワークですが、国の機関ではありません。

この金庫は現在も国費(税金)は全く入っていないので、
いまもパリタリズムが確立しています。

ただ、この経済状況のもと、
収支バランスを取るのが大変難しく、
現状としては赤字がつづいているとのことでした。

支出規模は、260億ユーロ。
(1ユーロ120円とすれば3.12兆円)

ここの理事会(労使)で議論し、決定したことで
実現可能なものから法令化されます。

また、POLE ENPLOIがちゃんと仕事をしているのかどうかについても
金庫が監査をします。

現在の給付期間は
50歳未満は最長24か月
50歳以上だと最長36か月
61歳以上で年金満額支給条件に満たない場合は3年以上になる場合もあります。

支給額は総支給額の57.4%、手取り金額の70%が受け取れます。

また、月々支給する方法だけでなく、
例えば起業したいという場合などは
36か月分の半分を一括で支給することもできます。

フランスの労働基準法は非常に労働者を守るものとなっています。
前よりも、もし給料の低い仕事で働いた場合、その差額が支給されます。

また、フルタイムでの仕事がなく、パートで働かざるを得なくなった場合も、
その差額が支給されます。

2010年12月31日現在の予想値では失業手当受給者は233万人。

保険料はサラリーの6.4%で、使用者が4%、労働者が2.4%。
徴収は「拠出金徴収機構 URSSAF ユーフサッフ」が行います。
(その他、疾病保険、家族手当、年金などの拠出金も一括してここが徴収します)

失業手当は最大36か月支給となるので、
3年で仕事がみつからなかったらどうなるのか。

その次に支給されるのはASS(特別連帯手当)で、
これは国からの支給(財源は税)となります。

金額は一日15.14ユーロ(1ユーロ120円換算で約1817円)。
(かなり厳しい金額ですね)

そして、最後のセーフティネットは
RSA(エレッサ)です。

2009年にそれまでのREI(エレミー)からRASに変わりました。

2つの大きな違いは
REIは働いていないことが条件だったのが、
RSAは仕事を探すことを条件にし、現在仕事がない場合と
働いていても貧困な労働者(ワーキングプア)にも支給する、という点です。
(これは労働組合FOでも同じように説明されました)

RSAの財源は県の税金であり、家族単位で支給されます。
金額は単身だと月469ユーロ(1ユーロ120円換算で56280円)で、
人数がふえれば加算されます。

・・・・・・・・・・・・・・・・

ここまでが説明でした。

フランスでも現在は
失業対策は「雇用」を前提としたものになつていること、
それは日本の生活保護が「自立支援」という名前で、
「働くこと」を第一条件にしていることとよく似ています。

でも、こうしたやり方は経済状況と大きくかかわるので、
ちよっと無理がある・・・と思わざるを得ません。
それは、一昨日のFOの失業・雇用担当の方も、
「そうは言ってもあまりに経済状況が悪いですからねえ・・・」
と言っていましたしね。



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プロフィール

crecre

Author:crecre
大阪の社会保障のことなら何でもまかせて・・・といえるようになりたいと日々勉強勉強
大好きなものは・・・
着物、旅行、露天風呂、読書、映画、足つぼマッサージ、料理(なんでも作ります。特にパスタははっきりいって、そのへんのイタリアンには負けませんし、時間さえあればピザも生地から、餃子も皮からつくります。煮物も大得意です。最近パンも焼いています)
大好きな人たちとの楽しいおしゃべり+美味しいお料理。
表計算ソフトのエクセル・統計が大好きです。
大切なものは・・・もちろん2人の息子、そして三匹のにゃんず。
性格は・・・非常に前向き、後ろは殆ど振り向きません。

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