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やっぱりすごいフランスの子育て施策②~相手を説得させるためにはインパクトのあるデータが必要

フランスの子育て施策の続き・・・・

次にやっていることは、多子家庭へのエイド。
フランスの多子世帯の定義はこども3人以上のこと。

これは産めよ増やせよ政策ではない。

1960年時点でフランスではこどもをうまないカップルが30%もいた。
その当時は日本がお手本だった。
現在の多子家庭政策はこどもの貧困対策として作られている。

この中心的な施策は日本もはじめた「こども手当」。
歴史は古く、19世紀から支給をしている。

2009年のデータでは以下。もちろん全部加算していく。

            (    )はひとり親の場合、単位は月額・ユーロ    
1人目        395(460) *1人目は低所得のみ
2人目        370(594)
3人目        753(1081)
4人目から      1244(1619) 

次に、住宅手当。
なぜ家族手当が住宅手当までするのかというと、
低所得家庭にとって食費より住宅費の方が割合が高く、
貧困対策としては優先順位が高いからである。

世帯収入が低い所に沢山支給する仕組みとなっており、
手当の3/4をクナフが支出している。

こうしたクナフの政策により
貧困家庭のこどもがかなり救われた。
フランスの貧困世帯のの定義は平均所得の60%以下。
2010年の貧困基準は月970ユーロ(1ユーロ120円換算で116400円)以下。

フランスで、もしクナフがなければ、こどもの貧困率は27%だが、
7%まで押さえることができている。

北欧と比較しても、
フランスは最も貧困対策が成功している国だと言えるだろう。
北欧とフランスとの違いは、
北欧は所得の格差が小さく、フランスは大きいということ。

クナフ「家族手当金庫」は国がやっているわけではないが、公的機関である。

理事会をもっており、
ワーカーユニオン(労働組合など労働者代表)
NPO
経団連
の三者の議決によつて決まる。

サラリーの低い人はこどもが多く、高い人はこどもが少ない。
こうした問題をどうやって解決すればいいのか、
そのために労使が1920年に地域的に金庫がつくられ、
1932年に全国均一の金庫となった。
そして1945年のSocial Security 設立の時に合流した。

家族手当金庫は国がやっているのではなく、
地域ごとに135の金庫がある。それをCAF(カフ)と呼ぶ。

フランスの家族政策の国家予算規模はGDP比4%で、
その60%はクナフが賄い、40%は自治体の税など。

クナフの財源は100%使用者の拠出で、労働者の負担はない。
(すごい!!子育て政策の責任は使用者と自治体だということですね)
使用者の保険料率はサラリーの5.4%。

クナフは国と様々な契約をしている。

1.手続き開始から支給まで15日間でやること。
  貧困家庭はさらに短く10日間で。

2.年間1900万人が窓口に来るので、待ち時間は20分以内。

3.電話は90%以上は出ること。

4.インターネットやメールにも答えること。

こうしたことを実行するために財政全体の2.6%のコストがかかっている。
フランスのこうした業務はすべてIT化されており、
その子どもの妊娠がわかった時から、
情報はクナフやカフ(地域組織)の端末ですべてみることができる。
このシステムをクリスタルシステムという。

また一方で不正摘発もしており、
600人のコントロールをする人がいて
1人が年間300件の家庭訪問をする。

・・・・・・・・・・

フランスは様々な手続きが遅い、などと思っている人がいるけれど、
実はどこよりもIT化が早くに進んでいる。
それはフランス人はとても合理的に物事を考える国民性だから、
というのが現地ガイドの方のお話でした。

・・・・・・・・・・・

保育体制は今後20万人分のこどものキャパを増やす予定。
保育園建設費の55%を補助する。

思春期のこどもへのサポートや家賃滞納者対策など、
全国に3000人のソーシャルワーカーがいて
様々な相談をしている。

今後の課題としてあげられるものは、
一番初めの子の一ヶ月目へのこども手当を手厚くするように変更しようかと考えている。
改善の余地は沢山ある。

若年者ワーカー、若者たちの労働は大変な問題をかかえており、
そして賃金がとても低い。
この問題をなんとかしないといけない。

スタッフはクナフに400人、カフに33000人がいる。

そして、国民6200万人のうち、3100万人が家族手当対象者である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

レクチャーからの後のいくつかの質問で、

私は、
「2050年を見据えての長期的投資だというご発言は
 大変に説得力があると感銘しました。
 こうした試算はいつごろからしておられるのでしょうか」
という質問をしました。

その回答は、

子育て支援、貧困対策は長期的投資としてとらえることは非常に重要。
なぜならいつかは保険料を払う人間になる。

私たちは常にリサーチセンターをもち、データ分析をしている。
相手を説得するためにはインパクトのあるデータがなければならない。
そしてエコノミックなアナライズは最も重要だ。

最後に

フランスのこどもが増えているのは
移民のこどもが増えているのだうという声があるが、
移民を除いても特殊合計出生率は1.9%であり、
移民への給付は全体の8-9%にすぎない。

・・・・・・・・・・・・

本当にいろんなことを学んだ2時間でした。
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プロフィール

crecre

Author:crecre
大阪の社会保障のことなら何でもまかせて・・・といえるようになりたいと日々勉強勉強
大好きなものは・・・
着物、旅行、露天風呂、読書、映画、足つぼマッサージ、料理(なんでも作ります。特にパスタははっきりいって、そのへんのイタリアンには負けませんし、時間さえあればピザも生地から、餃子も皮からつくります。煮物も大得意です。最近パンも焼いています)
大好きな人たちとの楽しいおしゃべり+美味しいお料理。
表計算ソフトのエクセル・統計が大好きです。
大切なものは・・・もちろん2人の息子、そして三匹のにゃんず。
性格は・・・非常に前向き、後ろは殆ど振り向きません。

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