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母子を支援し助けるための0-6歳のシステム

みなさま、おはようございます。

パリの朝は今日も雨です。
今日、明日は、自由行動なんですけどね・・・・

視察団のみなさんの殆どはオプショナルツアーに参加されるのですが、

私は旅は行き当たりばったりがいいとおもっているので、
完全に自由行動にします。

今日は雨ですから、
オルセー美術館にゆっくりと行って

20101111オルセー美術館

(セーヌ川からみたオルセー美術館)

オペラ地区界隈のカフェに入り、
ウィンドウショッピングなどを楽しみたいなと思います。

昨日の午前中は、
パリ16区にある母子センターを訪問しました。

パリ市というのは人口220万人都市で、
市であると同時に県でもあります。

パリ市内には20区あり、
ここ16区は裕福な人たちが住んでいる地域です。
しかし、裕福な人たちの家にはメイドさんがいて、
その方たち(ほとんどが移民の人たち)もここに住んでいるので、
貧困な人たちも暮らしているわけです。

ずっとコーディネーター兼通訳をしてくださっている奥田七峰子さんが
ここ16区在住で、母子センターはいま9歳になる息子さんがお世話になったところだそうです。

わりとこじんまりとした建物の中に、3つの施設があります。

20101112母子センター1

◆PMI 母子センター(県営)

3つの機能

①予防
・6歳までのワクチンは、 BCG、ジフテリア、ポリオ、破傷風、100日咳、肺炎球菌、B型肝炎、はしか、髄膜炎、おたふく、風疹、ロタウィルス。ロタ以外は無料でロタも後日償還。

②健診
・0-6歳のこどもには20回の健診が義務付けられている。(無料)

③早期発見
・視聴覚、知能、身体の様子、父母とのリレーション(関係)、虐待

◆家族託児所(市営)
もともと保育ママが家庭でみている2か月半~3歳の乳幼児を集団生活になじませるためにつれてくる。現在23のこどもと8人の保育アシスタントがいる。

◆一時預かり(市営)
仕事をせず家で母親がこどもを育てている場合で週に二回午前中だけ集団生活になじませるために連れてくる。

・・・・・・・・・・・・

やりとりは主にPMIについて行われました。
話をしてくださったのは、ドクター・ショミアンです。
私たちに対応してくださったのは、すべて女性スタッフです。

20101112母子センター1


・・・・・・・・・・・

PMIはパリ市内に40か所あります。
市内全域を巡回する医師が13人、
新生児専門看護師は各PMIに1人ずつ。
また日本でいう保健師のような資格をもつスタッフが在宅訪問も行います。

PMIのチェックで4つの重要な視点があります。

①障害の有無
②母子の関係で問題が無いか
③社会的、精神的問題、貧困、移民問題など
④虐待防止


フランスでの虐待の早期発見のシステムは以下です。

まず、妊娠がわかると、医療機関で申請をします。
この書類が複写になっていて、
一部は疾病金庫へ、もう一部は家族手当金庫に行きます。
(家族手当金庫でのレクチャーでこの説明がありました)

普通、望んだ出産であれば、1か月半や2か月で受診しますよね。
でも、遅い受診、申請であれば、ここでピックアップされます。

そして、出産後入院(フランスでは3日)中の様子がおかしい人もピックアップされます。

退院後、新生児専門看護師が在宅訪問をする中でピックアップします。

そしてここからがPMIのミッションで、
疑いのある家庭をできるだけ早くみつけることが重要で、
ここからフォローが始まります。

また相談オンラインがあり、市民からの通報があれば、
新生児専門看護師が訪問します。
虐待が発覚した時点から私たちに「守秘義務」はなくなり、
すべての機関とネットワークをつなげていきます。
0-6歳の虐待問題の責者はPMIの医師にあります。

そして、虐待がわかっても、
できるだけ母子分離はせず、18歳までのフォローをしていきます。

ここ16区は裕福な家庭が多いので、虐待問題の数はすくないのですが、
19区20区のような貧困家庭の多い地域では深刻です。

・・・・・・・・・・・・・・・・

ここから市会議員のマダム・ジュノーからのお話です
とてもきれいな方ですが、おじいさんが日本人とのことで、
彼女はクウォーターということですね。

20101112母子センター2

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

16区は富裕層の集まる区ですが、
特殊出生率が高く、
それも3人目4人目の出産がふえています。
ひとり親家庭やステップファミリーも多いのです。

母親の95-98%は仕事をしています。
フランスでは3歳児からはプレスクール(幼稚園)が義務化されているので、
保育は2歳児までです。
プレスクールは公立は無料です。

公的な保育所に入りたければ区役所に申請します。
しかし、この16区では4000人の希望に対して700人のキャパしかありません。

16区の区長は保守系で、パリ市長は左派で、両者は仲が悪く、
なかなか保育所のキャパの拡大はむずかしいのです。
区には権限がなく、市がすべてを決定します。

区の選考委員会は年三回開かれ、ここで入所を決定しますが、
最終的にはドクターの一言で決まりますが、
やはり、貧困世帯や問題ケースを優先します。

公立保育所に入れない場合は、
NPOが運営している民間保育所や
企業間共有シェアの保育所を斡旋します。

・・・・

ここからまたドクター・ショミアンのお話です。


フランスの伝統的に「幸せな家族像」というのは、
こどもが4~5人いて、離婚しないで両親がそろっている、というものです。

しかし、結婚(もともと結婚していないが一緒にいるケースが多い)して
離婚(はなれる)する率が50%ととても高いのです。

また、ベトナム・カンボジア・南米・ロシアから養子を迎えるケースもとても多いのです。

障害児の学校受け入れは義務ですので学校は断ることができません。

フランスは今、母乳を推奨しています。
しかし、これも母親の選択にまかされます。
また、働いている母親にプレッシャーにならないようにします。

・・・・・・・・・・・・・・

聞き忘れたのですが
こうしたピックアップされたこどもの情報は
家族手当金庫のあの「クリスタルシステム」が使われて管理されているのかどうか。

地域にあるCAFと母子センターとの連携があるのかどうか・・・

そのあたりを聞きもらしましたので、
奥田さんにメールしてみようかなと思います。

いずれにしても、
赤ちゃんがおなかにできた時点から18歳になるまで、
いかに把握し追跡していくのかという
重層的なシステムとフォロー体制の構築というのが、
子育て支援のカギなのだということがよくわかりました。

私はこのシステムの中に、
家族手当金庫が実施しているこども手当、住宅手当等々と
疾病金庫が実施しているこどもの医療費は完全無料という
社会保障制度がきっちりと組み込まれていることが重要だと思うのです。

なぜなら、
フランスでも「申請」からはじまりますが
「申請」さえすれば、
その後の子育ては完全無料になるという利点があるということを
母親になる女性たちが知っているから・・・だから申請するのです。

そして、赤ちゃんがおなかにいるときからフォローと支援がはじまるのです。

日本の場合は、
赤ちゃんができたと申請してもらう母子手帳では、
なんの補助もありません。

母子手帳を申請した時から、
妊婦検診、出産、そしてこども医療と健診の完全無料化と
子育ての間の様々な援助がある体制を作り、それを大宣伝して知らせること、
そして実際の援助をしていくのは、
どう考えても保健所の医師・看護師・保健師や児童相談センターなどの職員となるわけですから、
公務員を削減している場合ではないと思うのです。

そして、こうした支援は
日本の30年40年50年後を見据えたプランの中の柱として据えなければならないのだ、
ということをこのフランス視察の中で確信しましたね。



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プロフィール

crecre

Author:crecre
大阪の社会保障のことなら何でもまかせて・・・といえるようになりたいと日々勉強勉強
大好きなものは・・・
着物、旅行、露天風呂、読書、映画、足つぼマッサージ、料理(なんでも作ります。特にパスタははっきりいって、そのへんのイタリアンには負けませんし、時間さえあればピザも生地から、餃子も皮からつくります。煮物も大得意です。最近パンも焼いています)
大好きな人たちとの楽しいおしゃべり+美味しいお料理。
表計算ソフトのエクセル・統計が大好きです。
大切なものは・・・もちろん2人の息子、そして三匹のにゃんず。
性格は・・・非常に前向き、後ろは殆ど振り向きません。

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