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自分たちで生命を守った村 (岩波新書)

ここのところ、移動時間には「沢内村」関連の書籍を読んでいる。

沢内村は、日本で始めて
老人医療費と乳児の医療費を無料化した「日本一の福祉自治体」ということで有名だけれど、

今、国保の歴史を調べていく上で、
どうしても、なぜこのような自治体が生まれたのか、
という背景までもしっかりと学びたいと思っているからだ。

自分たちで生命を守った村 (岩波新書 青版 668)自分たちで生命を守った村 (岩波新書 青版 668)
(1968/01/20)
菊地 武雄

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この書籍は、有名な深澤村長が書いたのではなく、
同時期にともに活動をし、岩手県全体の医療・国保・福祉改善の取り組みをすすめていた
岩手県国民健康保険連合会の菊池武雄さんがかかれたもので、
1968年に発行されている。

何よりも昭和30年代までの岩手県の雪深い村々がいかに貧しく、
それは、乳児の死亡率の高さや、女性の早死などに如実に示されている。

農民、村民が過酷な自然によって虐げられ、
そして貧しいからこそいかに医療が遠かったかが書かれていて胸をうつ。

そして、ここでは、沢内村国保の保健婦たちの活動がリアルにかかれ
今の行政にないものがはっきりとわかる。

岩手県は現在も数多くの自治体立病院や公立病院、国保診療所をもつ。

それは、自前で医療機関を作らなければ医者も来ないし、
ちゃんとした医療が保障されないからだった。

大阪などという都会にいて、
冬でもほとんど雪が降らず、
交通の便もいい地域にいる人間には
想像を絶するような厳しい自然環境の中だからこそ

「自らの手で命を守る」ためのたたかいをしたのだ。

そして、この本をよんでいると、
農村はいつも日本の国策を下支えしていることがよくわかる。

古くは江戸時代、年貢は大名や武士のために召し上げられた。

戦争中は、兵士の供給地として、

戦後は、高度経済成長の労働者の供給地として、

そして、今は食糧の生産地として。

沢内村のたたかいの真髄は、
「制度」を作ったことではなく、
「制度」のもとで、自ら実践する村民を育て上げたことだ。

その中心にいたのが保健婦だったということが本当によくわかる。

この本を読んでいて、
いまの住民運動には、「自らが実践する」という視点がない、かなり薄いと感じる。

要求するだけの運動になっていないか。

たとえば、いま展開中の自治体キャラバン行動「健診」について取り上げているが、
20人程度の参加者の中で、
自治体が実施している「特定健診」や「がん検診」を受診している住民がほとんどいないのだ。

自治体に対して批判するだけでなく、
自らが実践者となり、そしてその経験をもって改善策を語る、ということが必要だし、

自治体だってやはり苦労して事業を展開しているのだから、
そうした努力に対してこちらも誠意をもって応えていくことが必要ではないか。

国保料が高い、下げろという活動をしながらも、
やはり自らの健康に関心を持ち、健診を積極的にうけ早期発見早期治療につとめる。

これは「自助」などということではなく、
はやり実践者として住民が成長していく、ということではないか。

そんなことを学んだ一冊だった。







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Author:crecre
大阪の社会保障のことなら何でもまかせて・・・といえるようになりたいと日々勉強勉強
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着物、旅行、露天風呂、読書、映画、足つぼマッサージ、料理(なんでも作ります。特にパスタははっきりいって、そのへんのイタリアンには負けませんし、時間さえあればピザも生地から、餃子も皮からつくります。煮物も大得意です。最近パンも焼いています)
大好きな人たちとの楽しいおしゃべり+美味しいお料理。
表計算ソフトのエクセル・統計が大好きです。
大切なものは・・・もちろん2人の息子、そして三匹のにゃんず。
性格は・・・非常に前向き、後ろは殆ど振り向きません。

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