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後期高齢者医療制度とは

後期高齢者医療制度学習会レジュメの概要版をつくりました。
ブログご愛読者のみなさんもご一読ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


後期高齢者医療制度の問題点とは

1. 後期高齢者医療制度とは何か、いつ決まったのか。

昨年の6月14日の参議院本会議で
「医療関連法案(15の関係法案を一括審議)」が
自民党・公明党の賛成で一括可決されました。
その中で、新たに
「高齢者の医療の確保に関する法律」が制定されました。


2. 後期高齢者医療制度の加入者は

現在、高齢者の多くは国民健康保険に加入していますが、
来年4月以降、
75歳以上のすべての高齢者はそれまでの医療保険を強制脱退させられ、そしてこの後期高齢者医療制度に強制加入となります。
(生活保護受給者は除外)。

さらに、65~74歳で一定の障害がある方は
この制度の加入者となります。

一定の障害のある人とは、以下の方たちです。
・身体障害者手帳1~3級所持者
・身体障害者手帳4級のうち音声・言語障害の方と下肢機能障害の一部の方
・知的障害の程度が重度(A)の判定をうけた方
・精神障害者保健福祉手帳1級又は2級所持者
・国民年金法による障害の程度が1級及び2級の方

現在、
すでに65歳以上障害者で老人保健法の加入者となっている方は
「みなし」で自動的に後期高齢者医療制度に移行となりますが、
来年4月1日までに
市町村に「撤回届」(脱退届)を出せば入らずにすみます。


3. どこが運営するのか

後期高齢者医療制度の保険者は「広域連合」です。
「広域連合」とは地方自治法に定められた特別地方公共団体です。
大阪府の広域連合の場合、
職員は大阪府と府内市町村から合計42人が出向していますが、
その人数で、
80万人以上の大阪府内の75歳以上高齢者の
保険者業務をすることとなります。

また、広域連合議会があり、
大阪府の議員定数は20人で、
近隣の
和歌山県31人、
京都府30人、
滋賀県26人、
奈良県20人、
兵庫県41人で、
大阪府の少なさが際立ちます。

議会の定例会は年に2回、各半日間です。
今年は7月26日午後に臨時会が開かれ、
秋の議会は11月22日午後1時から大阪府庁別館で開催され、
大阪府の保険料が決定されます。
 
広域連合議員は以下です。

大阪府後期高齢者医療広域連合議会議員名簿

市町村名 氏名      所属政党    備考

大阪市 太田 勝義 自由民主党
大阪市 神原 昭二     民主党
大阪市 河本 正弘 公明党
大阪市 北山 良三 日本共産党
堺市 吉川 敏文 公明党
堺市 西林 克敏 自由民主党
豊中市 渡邉 稔   自由民主党 副議長
池田市 椴木 猛  無所属      議長
吹田市 和田 学      無所属      議長
守口市 原口 芳生 公明党
枚方市 広瀬 ひとみ 日本共産党
寝屋川市 山本 三郎 社会民主党
東大阪市 野田 義和 自由民主党 議長
八尾市 東口 晃治 自由民主党
富田林市 來山 利夫 公明党
岸和田市 中塚 茂春 公明党      議長
泉大津市 溝口 浩      公明党   議長
貝塚市 奥野 学      無所属      議長
田尻町 仁部 順行 無所属      議長




4. 後期高齢者医療制度の財政

財政は広域連合ごとの会計となり、負担割合は
公費5割(国4、都道府県1、市町村1)、
保険料5割(75歳以上高齢者1割、支援金4割=74歳以下の保険料)
となっています。
   
これは、介護保険財政と同じ仕組みです。
そのため75歳以上高齢者の医療給付が増えると
すべて保険料に跳ね返る仕組みとなります。


4. すべての高齢者に保険料が課せられ、年金天引きされる

後期高齢者医療保険料は、
加入しているすべての高齢者に課せられ、
月額1万5千円、年額18万円以上の年金から、
介護保険料と後期高齢者医療保険料の合算で
年金の1/2を超えなければ天引きされます。


5. 大阪の保険料はいったいどれくらいになるのか

大阪府後期高齢者医療広域連合は10月18日現在、
まだ大阪府の保険料案を発表していませんが、
すでに発表されている給付費推計や高齢者推計により、
私ども大阪社保協で試算をしたところ、
年平均額が11万~12万円となることがわかりました。
そしてこの金額は2年ごとに値上がりとなります。
さらに、これはあくまで単純に高齢者の頭割りで計算しただけで、
実際は国民健康保険料の計算と同様に、
高齢者の所得に応じて課せられる所得割と
全員に等しく課せられる均等割の合算となるため、
年金額が多い方ほど保険料は高くなり、
最高額はお一人で50万円となることがすでに決まっています。

すでに
東京都は11.5万円、
北海道は8.7万円~9.7万円、
埼玉県は8~9.4万円と発表しており、
大阪府は高齢者の一人当たり医療費が高く、
かつ所得が全国平均より高いため、
全国一高い保険料になるのではないかと私たちは予想しており、
大阪府広域連合もそうしたことを認めています。


6 保険料は必ず払えない人が生まれ、滞納者には信じられないほど厳しいペナルティーが待っている

後期高齢者が、もし1年間保険料を滞納すると、
国保と同様に保険証を取り上げ、
「資格証明書」が発行され、
さらに1年半滞納すると医療給付が一時差し止めという
厳しいペナルティーが待っています。

資格証明書というのは、
医療を受けた際の自己負担を10割窓口で払い、
後日9割償還となりますが、
医療給付一次差し止めとはこの9割償還がされない、
つまり、保険で医療が受けられなくなるということです。

現在の国保法では、
75歳以上の老人保健法対象者に対しては除外規定となり
資格証明書は発行されませんが、
この老人保健法は2006年度で廃止されます。

介護保険料の徴収では8割が特別徴収(年金天引き)、
2割が普通徴収であり、
普通徴収の約2割程度がすでに滞納となっており、
大阪では
少なくとも10万人以上が介護保険料滞納者となっていることが
私どもの自治体アンケートで明らかになっています。

当然介護保険料が滞納であれば、
後期高齢者医療保険料も滞納となるでしょう。

後期高齢者を具体的にイメージすれば、
80歳代、90歳代の「おばあちゃん」です。

こうした方々から医療を奪うということは、
まさに「死ね」ということと同じです。


7. 現在、被用者健康保険の本人や扶養家族となっている場合はどうなるのか

現在、被用者保険の本人であっても、
75歳になると広域連合に移行しなければならず、
そうなれば扶養家族(75歳未満)は国保などの健康保険に加入しなければならなくなります。
また、被用者保険の扶養家族になっている人も
75歳以上になれば後期高齢者医療保険に強制加入となり、
新たに保険料がとられることとなります。
対象は全国で200万人です。  

8. 一部負担金はどうなるのか

一部負担金は原則1割負担ですが、
現役並所得者は3割負担となります。現役並所得の判定基準とは、

・市町村税課税所得   145万円以上
  かつ世帯収入  後期高齢者複数世帯 520万円以上
          後期高齢者単身世帯 383万円以上

※現役並所得者の判定は同一世帯に属する被保険者の
 所得及び収入によ り判定します。


9.75歳以上が後期高齢者医療制度に移っても国民健康保険料はまったく安くならない

国民健康保険から75歳以上の高齢者が
すっぽりと後期高齢者医療制度に移ることとなるので、
「医療給付費部分の相当な割合が減り、
国保の医療給付費が少なくなり、
国保料が安くなるのではないか?」と期待する声がありますが、
そうはなりません。

それは、後期高齢者医療制度の財政の負担割合にあります。

後期高齢者医療制度の負担割合は、
公費5割(国4:都道府県1:市町村1)と
保険料5割(高齢者の保険料1:支援金4)となっており、
この支援金は若年者の保険料となっているため、
現役世代はこの後期高齢者医療制度の
10分の4も保険料負担をしなければなりません。

国保加入者の場合は、
保険料が
現在の医療分、介護分に加えて
支援金分という3区分となり、
2008年度の国保料は68万円(内訳は医療分47万円介護分9万円支援金分12万円)となり、
今年度より3万円高くなりますので、
来年度の国保料は値上がる可能性が非常に高くなっています。

10. いままでとはまったく違う医療内容~75歳以上には「差別医療」が

07年10月4日、
社会保障審議会・後期高齢者医療のあり方に関する特別部会が開催され「後期高齢者医療の診療報酬の骨子案」がまとめらました。

診療報酬とは、簡単に言うと「医療の値段」「医療の公定価格」です。

この「骨子」をみていくと、
後期高齢者医療診療報酬の方向性が見えてきます。
概略は以下のとおりです。

(1)外来医療では、「主治医」制度が導入され、
高齢者自らが医療機関や医者、医療内容を選ぶことが基本的にできなくなります。
主治医が高齢者の様々な情報を把握し、
専門的な医療が必要だと主治医が評価した場合にのみ
専門医療機関の紹介がされます。

(2)入院医療については、
これまでにない退院後の生活を見越した
計画的入院医療という位置づけをされ、
個々人の状況に応じて、
退院後の生活を見越した診療計画が策定され、
それに基づく入院生活が提供されます。
つまり、入院したとたん、
退院にむけて病院が一丸となって医療を行い、
そしてその計画どおりに退院できるかどうかで評価され、
診療報酬が決められます。
考えられるのは、
きめられた退院期日より早く退院したら報酬が加算され、
遅く退院したら大減算されるということ。

(3)終末期医療(ターミナルケア)については、
高齢者本人が望む終末期医療(=死に方?)を文書に書き、
医療関係者(主治医が中心となって)が共有し、
終末期の病状や緊急時の対応等について、
あらかじめ家族等に情報提供等をおこなうようにします。

(4)ターミナルケアも病院ではしてもらえず、
在宅で家族が行い、
痛みをとるための医療用麻薬(=モルヒネ)投与なども基本的に家族が行い、
指導は訪問薬剤師が行います。

これらは、あくまでまだ「骨子」段階ですが、
こうしたことができるように診療報酬を検討すべきだとかいていますので、
大いに注意が必要だと私たちはかんがえています。

いずれにしても、
75歳になったとたん、
医療が大きく制限されることは間違いありません。


11. 後期高齢者医療制度は75歳以上を人間扱いしない
「史上最悪の制度」です

このように、
年齢で医療内容を変えるような制度は世界中で日本しかありません。
なぜ75歳で線を引き、
前期高齢者と後期高齢者に分ける必要があるのか、75歳になった途端に、
高い保険料を年金天引きされる一方で
なぜ医療を制限されなければならないのでしょうか。
そして、なぜことさら
「後期高齢者医療保険の特性」などといって、
他の年代と差異をつけなければならないのでしょうか。

これはまるで、
「75歳になったらもう人間扱いしない」ということと同じではないかと思います。


12. 与党の「凍結」では全く意味がありません。私たちは制度の4月実施中止と制度の撤回を求めています。

しかし、国民も当の高齢者もこの事実を全く知らないし、
国も厚生労働省も行政も全く知らせていません。
しかし、このままではあと5ヶ月半で、この制度が始まります。
先の参議院選挙結果の影響で、
与党が「高齢者医療凍結」と言い出しましたが、
これは、制度そのものの凍結でも中止でもありません。

凍結するのは、
①70歳から74歳までの高齢者の一部負担金を原稿の1割を2割にするのを1年未満で凍結

②後期高齢者医療制で、現在家族の扶養となっている方たちの新たな保険料負担を半年凍結

の2点のみです。

私どもは、すぐに解けてしまうような「凍結」ではなく、
この後期高齢者医療制度の4月実施を中止し、
いったん制度を撤回すべきと考えております。

高齢者に豊かで幸せな老後を。
そのためには、
差別医療ではなく、
十分な医療が必要と私どもは考えています。

ご意見・ご質問などいただけましたら幸いです。
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Author:crecre
大阪の社会保障のことなら何でもまかせて・・・といえるようになりたいと日々勉強勉強
大好きなものは・・・
着物、旅行、露天風呂、読書、映画、足つぼマッサージ、料理(なんでも作ります。特にパスタははっきりいって、そのへんのイタリアンには負けませんし、時間さえあればピザも生地から、餃子も皮からつくります。煮物も大得意です。最近パンも焼いています)
大好きな人たちとの楽しいおしゃべり+美味しいお料理。
表計算ソフトのエクセル・統計が大好きです。
大切なものは・・・もちろん2人の息子、そして三匹のにゃんず。
性格は・・・非常に前向き、後ろは殆ど振り向きません。

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